54話 ページ13
「出なくて済んで良かったよ。もう1人の実行委員が助けてくれて」
「へぇ、どんな人なの?」
「うーん。‥‥‥優しい。良い人。気を遣わせすぎて申し訳ないくらい」
「そうなんだ」
「うん。男の人でも良い人もいるんだなと思った。亮平くんには勝てないけどね!」
「‥‥‥はは、そっか」
そのあとはお互いの学校の話をしてもう少しお話ししようって、続きは私の部屋で話すことにした。
「ねぇ、さっきの実行委員の人って」
「ん?うん」
「なんて人なの?俺もそんなに良い子なら会ってみたいな」
「いやいや、そんな仲良くないよ?舞子ちゃんより全然。多分会う機会作れないと思う‥‥村上くんって言うんだけど」
「そっかぁ。残念!‥‥‥村上くん?」
「うん。知ってる?」
「いや、知らないけど。舞子ちゃんと同じ苗字だなと思って」
「ね!私も最初に思ったの。しかもね、顔もちょっと似てる気がするんだよね。笑った顔とか特に‥‥目が離せないくらい」
村上くんが時々笑うと目が離せない現象があったんだけど、それが舞子ちゃんに似てるからだとふと気づいた。
クラスメイトと友達を似てると思うなんて怖すぎる!と最初思ったんだけど、やっぱり似てるから反射的にじーっと見つめてしまう。
「‥‥‥あんな顔2人もいる?」
「‥‥‥え?」
「最初会った時綺麗な顔してるなぁと思ったから。俺のタイプじゃないけど。あんなのが2人もいたら奇跡だって。俺は全くタイプじゃないけど」
「‥‥‥たまたま似てる、とかはあるんじゃないの?」
「いや、苗字も一緒なんでしょ。そこまでいったら何らかの関係はありそうだと思わない?例えば‥‥兄弟とか、従姉妹とか?」
亮平くんのその発言で、私の頭にピシャーーンと雷が落ちた。ような音がした。
どうしてその発想が生まれなかったの?
もし亮平くんの言う通り何らかの血縁関係があればそのツテを使って舞子ちゃんに会えるかもしれない‥‥!
「ありがとう!亮平くん!!」
「ん?いや、可能性の話だよ?」
「明日村上くんに聞いてみる‥‥‥!!!」
「A〜?聞いてる?」
早く明日にならないかな?なんて高校に入って初めての感情でいっぱいになりつつ急いで学校の準備をして寝た。
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作者名:Haniko | 作成日時:2022年11月23日 11時