5話 ページ5
「わーーーー！！！え、ごめん！！なんか失礼なことを‥‥！？」
「‥‥‥っ、‥‥ち、違うんです‥‥っ」
Aさんは大粒の涙を拭いながら必死に否定してくれた。
どうして友達になって、なんて頼んできたのか。
その訳を聞くためにも俺たちは元々目指していたベンチに腰掛けた。
「‥‥‥私、いま雪原高校に通ってて。あ、高校2年生なんですけど」
「‥‥‥うん、そうなんだ(知ってます)」
「2年から理系のクラスに入ったんですけど、私以外見事に男で‥‥‥っ」
そう。
彼女が高嶺の花と称されているのはもう一つ理由がある。
理系クラスは学年で3クラスあるのだが俺たちのクラスは何故かAさん以外全員男子なのだ。
それもあって彼女の異質感が目立ち、結果的に高嶺の花の呼称を助長させる結果となってしまった。
でも、そんなに泣くほど嫌だったんだ。
やっぱり普段はクールに見えるけど実際は友達も出来ず孤独に泣く女の子だったんだな。
「そうなんだ、大変だn」
「私、男が嫌いなんです‥‥‥！」
「‥‥‥」
えーーーーーーーーーー。
男嫌い？
男嫌いであの理系クラスは‥‥‥地獄だ。
それは話が段違いで変わってくる。
普段彼女がいる中で着替えたり、時には下ネタを言ったり‥‥‥下ネタ言ったり。
そんなふうに笑い合っているいつもの光景を思い出す。
俺はそんなに言うタイプではないけど、それでも馬鹿なことやってるクラスメイトをいつも笑って見ていた。
そんな中、彼女は一人で‥‥‥。
急に彼女が可哀想に思えてくる。
そのままAさんは言葉を続けた。
「今のクラスが卒業まで続くって知って、絶望して‥‥‥もう友達なんて出来なくていいやって思ってたんですけど」
「‥‥‥うん。でもなんで、私？」
「‥‥‥可愛かった、から」
彼女がチラッと俺を見上げて頬を赤らめている。
「今まで見た人の中でいちばん。一番可愛いと思ったから。あなたみたいな子と友達になって‥‥学校生活の思い出を作るのが、夢だったんです」
でも、突然変なこと言ってごめんなさい。
そう頭を下げて立ち去ろうとした彼女の腕を掴んで引き留める。
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月6日 13時
