今日もカノジョは世界一可愛い！【Raul】 (ページ40)

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40話ページ40

速やかに荷物を纏めて帰る準備が出来た。
そのまま静かに教室から出ようとした時、

「照兄〜ラウール〜はよ帰ろ！！」

「マジ疲れた。早く帰ろうぜ」

文系クラスの渡辺くんと向井くんが教室の出口で立っていた。
ということはもれなく他の女子生徒も廊下に集まっているということで。

‥‥‥非常に出て行きづらい。

この4人が集まると男女問わず人が集まるから内面もちょっと派手なのかな？って、勝手に怖いイメージが出来上がってしまっている。

こういうの良くないって分かっているけど、昔から色々な人の視線に晒されてきた自分なりの護衛術だった。

あの4人が帰ってからこっそり出ていこう。

そう思ってチラ見しているとたまたま向井くんのほうと目が合ってしまった。

そのまま目線が逸らされると勝手に思っていたのに。
向井くんは目をカッと見開いて目線を右往左往し始め、隣の渡辺くんに何か耳打ちし始めた。
え‥‥‥‥‥なんだろう。

自分を見てあぁいう風にコソコソ話されるのも昔からあった。

その度に何を言われているんだろう、気づかないうちに変なことをしてしまったのかな？と不安な気持ちになる。

「はいはい！早く帰ろう。早く」

「お、おぉラウール。なんだよ、そんな急いで」

「そうやで？‥‥‥‥ええの？このまま帰って」

「は！？なにが？いいに決まってるでしょ。それにこんな所にいたら邪魔になって他の人帰れない。ほら、岩本くんも！」

そう言って村上くんが3人の背中を押して教室から出ていこうとしている。

向井くんたちの目線が逸らされたことに少しホッとしてそのまま様子を見届けていると、たまたまこちらを向いた村上くんと目が合ってしまった。

かと思ったら、次の瞬間には無表情で目線を逸らされた。

お顔が華やかでスタイルもいいけれど、何を考えているのかいまいち分かりづらい村上くん。

‥‥‥‥あの4人の中でも特に怖いかもしれない。