36話 ページ36
「ねぇねぇ、クレープ屋さん行っても良い‥‥？」
「‥‥‥もう、また〜？お腹壊したら辛いの舞子ちゃんだよ？」
「それはマジで大丈夫！滅多にお腹壊さないから」
「しょうがないなぁ‥‥じゃあ行こっか」
「いやいや！ちょっと疲れてきたでしょ？付き合わせるの申し訳ないしAちゃん座って待ってて？」
そう言って近くのベンチに座っててもらって俺1人で買いに行くことにした。
流石に7軒目？8軒目？付き合わせるのは申し訳ない。
お詫びとしてこっそりAちゃんのも買っちゃお。
俺の両手にはいちごカスタードとチョコバナナ。
あとはこれを一緒に食べてくれる君がいれば完璧！‥‥‥‥なんつって。
完全に浮かれてベンチに向かうと、見たくない光景が広がっていた。
「あの‥‥本当に友達待ってて」
「うん、でもさっきからそのお友達全然来ないよ？いい加減俺らんとこ来いって」
「お前言い方キツすぎ〜そんな言い方されたら怖いよね？」
「お前が一番容赦ねぇだろ」
「ハハ、言えてる」
男2人がAちゃんの両脇に座って肩を組んでる。
真ん中にいるAちゃんは手を固く結んで下を向いて震えていた。
下を向く彼女から一粒溢れたのを見た瞬間、反射で足が駆け出す。
マジで何してんだよ‥‥‥マジで。
「あの。その手離してもらえませんか？」
「おぉ！本当にお友達と来たんだぁ〜てか待って。お友達もめっちゃ可愛い」
「ちょー当たりじゃん。ギャハハ」
汚い笑い方で、汚い手で、Aちゃんの肩に触んな。
そう言えたらかっこいいけど、1対2じゃ勝てようないし喧嘩もしたことないし‥‥‥なら俺の今の武器は？
「‥‥‥えへへ、本当ですか〜？超ウレシ〜!!!」
「ま、舞子ちゃん‥‥‥？」
「いや、マジで可愛いよ」
「こっちは乗りいいじゃん。俺この子にするわ」
「おいお前ずりぃって！！！」
男たちがニヤつきながら俺の方に来た。
よしよし、そのままこっちに来い。
お前らなんかにAちゃんの良さが伝わってたまるか。
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月6日 13時
