31話 ページ31
3人から話の流れを聞いた俺は必死に弁明して自分が考えていたことを説明した。
もちろん、Aちゃんを好きになったことも含めて。
「‥‥‥今更？」
「へ？え、それはどういう」
「いやだから、知ってたよ。ラウールがAさんのこと好きなのかな〜ってことくらい」
「‥‥‥‥は？」
「ラウール今更気づいたん？なんや初心で可愛いやつやな〜」
「‥‥‥‥」
3人が今度はもっっのすごくニヨニヨした顔で俺を囲んでいる。居た堪れなくて逃げ出したい。
「いや、だって！！そんな話全くしてないじゃん‥‥‥」
「たかが友達のために遊びに行くプラン考えたりするか？そもそも最初に『笑顔にしてあげたい』って言われた時から怪しいな〜って思ってたぞ俺」
恋愛ごとに超絶鈍そうなしょっぴーにそこまで言われて思わずムンクになってしまう。
「え‥‥‥じゃあ俺、最初からAちゃんのこと好きだった、ってこと？」
「それはラウールの気持ちだし俺らが決めつけるわけじゃないけど‥‥‥俺たちからはそう見えてたよって話」
「そっか‥‥‥」
「それで？ラウールはAちゃんのこと誘うん？？お祭りに」
「あ、うん‥‥‥いやでもな」
「何今更迷うことあるんだよ。友達同士で行くくらい普通だろ？」
「う‥‥‥だって好きな人って思ったら今更どんな顔して会えばいいのか分かんないんだもん。それに」
「それに？」
「好きって気づいたところでどうアプローチすればいいか分かんない。向こうは俺のこと女の子だって思ってるんだよ？」
『あー‥‥‥』
3人が一気に顔を上げてしまった。
女の子である以上恋愛的なアプローチをしても困らせてしまうかもしれないし、じゃあ本当の姿をバラしたところでAちゃんは男が苦手なわけだし、というか本当のこと言ったら軽蔑して縁を切られる可能性もゼロじゃない。‥‥‥え待って、詰んでない？
「あーーー！！！！」
「うわぁ！！！‥‥‥なに！？」
「ええこと思いついた！！」
康二くんが突然キラッキラの瞳でこちらを見てきた。
なんっか嫌な予感するんだけど‥‥
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月6日 13時
