23話 ページ23
Aちゃんがそう言うと阿部くんはこちらに向き直って丁寧に挨拶をしてくれた。
「阿部亮平って言います。はじめまして〜！Aの幼馴染で小さい頃からずっと一緒にいるんだ」
「初め‥‥‥まして。村上、舞子って言います！」
「舞子さんかぁ。綺麗な名前だね！」
「あ、ありがとう‥‥？」
さっき見た表情が幻なんじゃないかってくらいニコニコと話してくれている阿部くん。
あれは俺の見間違いだったのかな？
「舞子ちゃんのその荷物は‥‥今日お泊まりするの？」
「そう！今日は両親がいないから私が呼んだんだ〜」
「へぇ‥‥そっかそっか！いいなぁ俺も一緒にお泊まり会したいな」
「それはダメ！今日は女子会って決めてるから」
「え〜じゃあご飯までは？夜になったら帰るから！」
パチンと両手を合わせてお願いをする阿部くん。
そこからチラッと上目遣いで見てくる感じが‥‥‥んん、あざとい。
「良いんじゃない？夜までなら阿部くんも一緒に」
「え‥‥いいの？」
「ご飯は人が多い方が楽しいしさ！」
「まぁ‥‥舞子ちゃんが言うならいっか！」
「わーい！ありがとう舞子ちゃん！ていうか俺普段阿部ちゃんって呼ばれること多いから舞子ちゃんもそう呼んで？」
コテっと首を傾げてそう提案してくれたから阿部ちゃんと呼ぶことにした。
うんうん、楽しくなりそうじゃん！
そんなふうにワクワクしながら、玄関を開けてくれたAちゃんに続いて阿部ちゃん、俺の順に入っていこうとしたら。
阿部ちゃんがくるっと振り返って俺を見てこう言った。
「Aちゃんのこと一番理解してる存在は俺だから。その辺り勘違いしないでね？」
亮平くーん？舞子ちゃん？
あは、今行くよ〜！
阿部ちゃんが先に玄関に入っていき扉が目の前で閉められる。
阿部ちゃんのあまりの豹変ぶりに立ち尽くすことしかできない俺。
え、いまの、なに？‥‥‥‥‥宣戦布告？
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月6日 13時
