63話.マイヒーローの行方？ ページ19
8月中旬。
太陽は高くて連日最高気温を更新中だ。
ペンションも連日大盛況を迎えているけど、私たちは約束の2週間をもうすぐ迎えようとしている。
「Aちゃん、お疲れ様。もう床掃除は終わったのかな」
「はい‥‥‥終わりました」
「Aちゃんが磨いてくれた床‥‥とっても綺麗だね」
「‥‥‥‥ハハ」
「佐久間くん、今何してるんだい？」
「オーナー！今草むしりやってたところです！！もうすぐ終わるかと
「あー！！！だからか‥‥‥！この庭がいつも綺麗なのは、佐久間くんがいるからなんだねぇ‥‥」
「ねぇ佐久間くん」
「残りませんよ！」
「最後まで聞いてくれたって良いじゃないか」
「最近ずっと言ってくるじゃないすか！もう少し働かない〜居なくなるなんて寂しいねぇ‥‥‥まぁそれは俺も同意ですけど」
「何も人手が足りないから言ってるんじゃないんだよ？二人ともよく働いてくれて良い子達だから、もっとここに残ってくれたらいいな、なんてね。孫も頻繁にくる訳じゃないしおっと涙が」
「俺らそろそろ東京に帰らないといけないんで‥‥‥サーセン！！！」
佐久間が直角に頭を下げているのを床掃除しながら横目で見る。
珍しいな、佐久間ならあんなに頼まれたら断れなさそうだけど‥‥‥。
そのまま見ていると佐久間がこちらを振り向きそうだったので慌てて目を逸らした。
昼休憩に佐久間と二人オーナーが作ってくれた賄いを食べる。
「今日もウマッ！！！！‥‥まぁこれがあとちょっとしか食べられないって思ったら勿体無い気もするけど〜」
‥‥‥佐久間の好きな人って誰なんだろう。
「でもさ！あんなに毎日言われたら疲れちゃうよな〜。おい誰が疲れ知らずだよ！」
佐久間のやりたいことリストに確かにチェックは付いてた。だから好きな人がいるのは間違いないんだろうけど。
「Aちゃんも疲れてない？大丈夫？」
アニメみたいな恋でしょ？あ！そういえば前に憧れのシチュエーションとか言ってた気がする。なんだっけ。花火の下で‥‥
「Aちゃん？」
花火の下で、下駄に絆創膏を貼ってあげるのが夢だったって。なんだっけ、あの時佐久間はなんて言ってたんだっ
「Aちゃん！！」
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年10月27日 18時
