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オビside


物珍しそうに、それでいて警戒心を解くことなくきょろきょろと周りを見渡しながら俺の半歩後ろを歩いてついてくるA。


名前をちゃんと呼んだほうがてっきり嫌がると思っていたのだが、どうやら彼女はそういうわけではないらしく、自分に対し胡散臭いやつが嫌いなのだと分かった。



そんなAのことを横目で見ながら歩いていると、



「…なに。」



とじろりとした目で睨まれた。

「ん、いやなんでも。」



そういうといったいなんなんだというように余計にいぶかしげな顔になってしまった。



むりもないけど嫌われてしまったなあと心の中で苦笑する。

お嬢さんの友達だし、これから付き合いも増えるだろうからもうちょっと友好的になりたいんだが。


それに、はじめて森で会った時の身のこなしと度胸、狼を従えることのできる経緯、ただの少女ではないことは確かなのだ。

それに、ここまで邪険に扱われるのはなんだか新鮮で余計に興味がわいてしまう。






「っと、ついたよ。兵士の食堂だ。兵士しかいないけど、まあ腹いっぱい食べるほうが優先事項だからね。」




そういって扉を開けると、まだ朝飯を食べている兵士は数人しかおらずまばらに座っていて、
食欲をそそる食べ物の香りがむんと漂ってきた。




あまり目立ってもしょうがないので、隅のほうの席に座らせ、ちょっと待ってな。と声をかけると、
Aは素直にこくんとうなずき、横にうつ伏したラウの頭を撫でた。




数分後、両手にいっぱいの料理を運んできてやると、Aは笑顔こそなかったが、
目をキラキラと輝かせ嬉しそうに料理を凝視した。しっぽが生えていたらブンブンと振り回していただろう。



そんな様子を見て、俺は思わずぶはっと盛大に噴きだした。


「あんた、そんな感情豊かだったのかい」


こらえきれず、くっくっくと笑いながらそういうと、思わぬことにAはほんのりと顔を赤らめながらぐっと口をかみしめ、



「おなか減ってたんだからしょうがないでしょ、」



と悔しそうに口をついた。







俺は、なんだ可愛らしいところがあるじゃないかと心の中でつぶやいた。
口に出そうものならばまた睨まれて終わりだろう。








思う存分食べなと声をかけ、ラウには食糧庫から持ってきた鹿肉をやると、
ようやく二人は食事をはじめた。

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ   
作品ジャンル:恋愛
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ぺこぱ(プロフ) - コメント失礼します。とても面白いです!楽しく読ませていただいています。お忙しいとは思いますが、ぜひ更新していただきたいです!! (2020年9月13日 1時) (レス) id: 7095aaaef1 (このIDを非表示/違反報告)
お米 - ちくわたろーさん» ありがとうございます!本当だ、、ご指摘助かりました!(;_;) (2020年4月27日 10時) (レス) id: c138635eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわたろー(プロフ) - 面白いです!!が、オリジナルフラグが着いたまんまなので早く外した方がいいですよ(コソッ) (2020年4月25日 23時) (レス) id: 8347c78c1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お米 | 作成日時:2020年4月24日 13時

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