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「何が目的なの」
そういいながらを私の両手に続いて両足も縛っている男に向かって問う。
「んー、あんたを保護してくれっていう依頼でさ。」
保護?誰から、なにから?
聞きたいことが多すぎてまとまらないでいると、縛り上げた男がおもむろに立ち上がった。
すると近くから馬の蹄の音が聞こえてきた。
「おーい主!ここですよ!」
主、ということはこの男は誰かの従者か何かだったのか。
そう思いながら顔を上げると、銀色の髪をした若い男とその隣に緑色をした体格のいい騎士、反対側には光沢のある薄いベージュ色の髪をした女騎士が馬に乗って森から出てくるところだった。
四対一とは、勝ち目がないな。と心の中でつぶやき、どうしたものかと考える。
銀色の髪をした男が私の姿を目にとめる。
「オビ、この娘か。
、、ところでお前はなぜ縛り上げているんだ!ばかか!」
「いやあそれが聞いてくださいよ主、この狼使いのお嬢さんとんでもなく凶暴で!こうするしかなかったんですよ」
しょうがないでしょと首を振る猫目の男の頭をを銀髪の男がバシっとはたくと、猫目の男は
いでっと声を上げて顔をしかめた。
なんとか逃げ出すすべはないかと考えていると、ふと銀髪の男が腰に下げている剣に目が行った。
そこにある紋章に目が行く。
あ、とその意味に気が付くとさっと血の気が引くのを感じ、それと同時にふつふつと怒りがわいてくる。
「お前ら、王族か。」
怒りを込めた目で睨みつけながら静かに問う。
銀髪の男が表情を変えずにこちらに向き直り、答える。
「そうだ。俺はクラリネス王国第二王子 ゼンだ。お前はAであってるか?」
「、、誰が、答えるか。」
そう告げると両腕に思い切り力を込めてさっきまで隠れてゆるめていた縄をほどき、
踏ん張って両足で立ち上がった。
いい!?と猫目の男が素っ頓狂な声を上げる中、抑揚をつけて思い切り指笛を吹き鳴らす。
一瞬の間の後、そばの茂みから狼のラウが走ってきて飛び出した。
そのまま私と王族たちの間に立つような形になり、低く唸り声をあげながら威嚇する。
そのすきに両足の縄を解くとラウの背に飛び乗り、
「行って!!」
と声をかけた。
「まて!」と後ろから声がするのを聞きながら、ラウは足に力を入れ走り出した。
しかし50メートルも進む前にシュッと風を切る音がしたと思うと、
ラウの体ごと私は横にドテっと倒れた。
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ぺこぱ(プロフ) - コメント失礼します。とても面白いです!楽しく読ませていただいています。お忙しいとは思いますが、ぜひ更新していただきたいです!! (2020年9月13日 1時) (レス) id: 7095aaaef1 (このIDを非表示/違反報告)
お米 - ちくわたろーさん» ありがとうございます!本当だ、、ご指摘助かりました!(;_;) (2020年4月27日 10時) (レス) id: c138635eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわたろー(プロフ) - 面白いです!!が、オリジナルフラグが着いたまんまなので早く外した方がいいですよ(コソッ) (2020年4月25日 23時) (レス) id: 8347c78c1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お米 | 作成日時:2020年4月24日 13時