クール系転校生の正体って？【電波教師】 (ページ14)

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１１話★ ページ14

寝ようと思ったけど、結局一睡もせずに次の日を迎えた。

「っふぁぁ……」

欠伸をしつつ、学園へ向かう。

……なんだか、今の私はおかしい。いつもだったら、男の人と付き合っててもこんなことなかったのに。……そういえば、今まで付き合ってた人のこと、心の底から好きになったことなかったな。……鑑先生が、私の初めて本当に好きになった人……か。

「Aちゃん！おはよっ！」

「っ！？」

誰かに声をかけられた。……考え事をしてたからびっくりした。

「お、おはようございます」

振り返って挨拶をする。どうやら、声をかけてきたのは純音さんのようだ。

「おはようございます、蒼山先生！」

純音さんの隣にいた鑑先生が挨拶をしてきた。……なんで敬語？

「……どうして敬語なんですか、鑑先生？」

私がそう聞くとか鑑先生がキラキラした目で近づいてきた。

「どうしてって……。尊敬する蒼山先生だからですよ！」

……そういうことか。

「はぁ……」

私はため息をつくと、ゆっくり目を閉じ、話しだした。

「……鑑先生。敬語は止めてください。あなたが私のファンだということはわかりました。でも、今あなたは教師、私は生徒という立場です。鑑先生が敬語を使うのはおかしいでしょう？……それに、好きな人に敬語なんか使ってほしくない」

最後の方は、聞こえないように……。勇気のでない私の、小さな告白。

「……わかった。じゃあ、これからは敬語抜きで話させてもらう。俺の尊敬するAからのお願いだからな！」

鑑先生は、笑顔でそう言った。

……それにしても、いきなり名前呼びなんて。

赤くなった顔を見られないように、私は後ろを向く。

「それでいいです。……ありがとう、鑑先生」

私は逃げるように、校舎に向かった。