les ailes (ページ10)

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十ページ10

ガチャりとドアを引いて、そこに広がっていたのは全体的に白いイメージの、広くて清潔感のあるリビングだった。

児童養護施設ってこんな感じなんだ。

大きめのダイニングテーブルが部屋の真ん中にあって、そこに6人の子達が座っている。

でも皆それぞれゲームをしたり俺達に背を向ける感じでテレビを見たりしているから、俺達には気づいてないみたい。

ab「みんなー、おはよう」

みんなの方に足を進めながら阿部さんが声を掛けた。

その声を聞いて、みんなが一斉にこちらを振り返る。

？「あっ、おはよーでやんす！阿部ちゃ……」

一人の子がすかさず挨拶を返しかけたけど、俺の姿を捉えると目を丸くして口をつぐんでしまった。

その子の様子を見て、なんだなんだとという感じで集まった皆の目線の先にいるのは、もちろん俺なわけで。

待って、思ってたよりも皆大きい。

保育士だったから、もっと小さい子たちを想像してたんだけど。どうみても皆中学生とか小学校高学年くらいだ。

？「……だれ？」

さっきの子とは違う、一番手前にいる子が、首を傾ける。

他の子は怪訝そうに警戒心MAXな顔で俺をジッと見つめている。

dt「今日からここで暮らしてくれることになった目黒さんだよ」
　

宮舘さんに自己紹介を促されて、エいや今日から住むわけじゃないよな…？とちょっと不安になりつつ、

mm「あ、えっと…今日からお世話になります、目黒蓮です。よろしくおねがいします」

と言った。

すると、一番手前にいた子がパッと顔を輝かせ、

？「えっ！？新しいひと！？わー！すごい！背ぇ高い！」

mm「うおっ」

と、抱きついてきた。