les ailes (ページ9)

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ab「宮舘さん？ああ、舘さんはこの須能園の調理員バイトをしてくれてるんだよ。いろいろサポートはしてくれるけど、ここに住んでるわけじゃないんだ。それに専門学校に入ったばっかだし忙しいから、あんまり頼れないんだよね……」

mm「そうだったんですか」

なるほど…。

てか入ったばっかってことは俺より年下なんだ。落ち着いてるし大人びてるから分かんなかったな…。

阿部さんのほうが年上なのになんでさん付けなんだろ。まぁいいか。俺もさん付けしとこ。

ab「じゃあ説明始めるね」

阿部さんは丁寧に仕事のことを説明してくれた。

ab「まず、ここにいるのは精神疾患を持ってて普通組では暮らせない子達なのね。後で資料渡すけど、いろんな疾患の子がいるんだ。まずそれを頭に入れてほしいな」

mm「はい」

ab「で、仕事内容なんだけど、まぁとくにルールとかは無いよ。ここで楽しく子どもたちをサポートしながら暮らしてくれれば十分！」

あ、でも掃除とかの当番はあるよ？と付け加える。

なるほど、本当にそれだけでいいのなら、割とやっていけるかもしれない。

ab「でも……」

と、阿部さんがちょっと顔を曇らせて言いかけたとき、ドアが開いた。

dt「皆集めてきたよ。目黒さん、自己紹介お願いします」

mm「あ、はい！」

ab「ああ…、丁度良かった。ありがとう舘さん。じゃあ一回試しに会ってみようか」

と言って立ち上がる阿部さん。

そして、こちらを振り返って、こう言った。

ab「……あの子達を第一印象で決めつけないであげてね」

mm「…？はい」
　

意味深なことを言われたけど、促されるままリビングらしき部屋のドアを開けた。