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互いに目を合わさずに数分して先輩が車を動かそうとエンジンをかけた。
駐車場を借りたコンビニには寄らず今度こそ家に向かってくれた
さっきよりも更に静かになった車内と私の頭の中を駆ける思想
先輩は何を考えているんだろう
誰にもバレてはいけない恋愛って
「秘密にしよう」とか「内緒ね」ってスリルはあるけど、、そんなもんじゃなかった
もっともっと黒いものが渦巻いててどうしようもなく罪悪感が込み上げてくる
もう戻れない
世間でいう「浮気」をしてしまったから
私は先輩の浮気相手
この人の彼女は今東京にいて
何も知らずに彼の帰りを待っているのだろうか
こんな事してるなんて知らずに
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「あそこの道、どっち?」
『あ、もうここで大丈夫です
家の前の道、細くて慣れてないとなかなか』
「いや、でも真っ暗だし」
『うち…親が厳しくて。あんまり家の近くでこうゆうの見られたら…』
「・・怒られる?」
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怒られはしないんですけど…って声は
勢いよく止まった車の振動でタイヤが擦れる音にかき消された
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作者名:彗星 | 作成日時:2020年5月22日 23時