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玲於になりたかった
Aの好きな玲於に
俺は何気ない嘘をべらべらと並べ
どうにかしてでもAの目を玲於から
背けたかった
ほんと最低だよな
罪悪感なんてものクソほど感じたよ
そこら辺から一方的に俺がつるむのをやめるようになって、玲於と関わらなくなった
玲於にとっちゃ急になんだよって話だよなぁ
でもあいつもグレてく俺に目も向けなくなった
玲於がキレたらめちゃくちゃ恐いって1番わかってたはずなのに
多分あれはキレてたと思う
もう取り返しのつかない結果になったんだ
………
………
………
「それから全然、連絡とってなくて」
『うん』
「けど最近、オレ、成人式あとの二次会のことで動いてて」
『隼くん幹事なの?』
「うん。任されちゃった」
「で、まぁ連絡とるわけよ色んな人に」
『あーー、そこでレオくん?にも連絡取らなきゃって?』
「いや、あっちから来た」
『お?』
「玲於の方から話あるから会えないか、って…」
『話?』
「うん、けど玲於も幹事やってるなんて話きいてないし、別件かな」
『でも』
「でもどっちにしろあいつから来るなんて何年ぶり……」
会うの?って聞かれるのが怖くて「だから呑みすぎちゃった」って言い訳をした
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今日はやけにタイミングが良い青信号のせいで
すぐにマンションの前に着く
ドアにかけた手を引っ込めて茉由の方を向いた
「・・・泊まってく?」
「ううん、今日は帰る。車置いとけないし…それに隼くんも。一人で考える時間も大切にしてね」
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ほら、やっぱりいい子
何も返せない俺に「ゆっくり休んでね。おやすみ」とその大好きな笑顔を向けて車は走り去った
ごめん、もう誰も傷つけたくない
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作者名:彗星 | 作成日時:2020年5月22日 23時