１０- 吉原の太陽、暁 ページ48
貴方side
寮に帰ると、部屋に着物があった。
それも山積みに。
いや、よく見ると簪なども多くある。
花や蝶が散らばった派手な布たち。
帯も数え切れないぐらいある。
簪は金色に輝き、何もかもがキラキラしている。
『誰だよ………あ、』
私は携帯の電源を入れ、すぐに電話をかけた。
『もっすィー』
月詠「Aか。着物は無事届いたか？」
でしょうね。
あの派手さや量からして、送ってくるのは吉原の人間しかいないよね。
私は小さく溜め息を漏らし、再び口を開いた。
『いやね？私、こんなに貰っても着ないのよ』
月詠「わっちが主のことを思って選んだものじゃ。それとも、何か気に食わなかったか？」
『そういうわけじゃ』
月詠「だったら黙って着なんし」
着なんし、って言われてもねェ……
.
月詠「それに、晴太や日輪が選んだものもある」
その言葉に、一瞬体が硬直した。
『…へェ、どれを？』
月詠「確か、赤い布に金色の花の模様がある振袖じゃ」
赤い布に、金色の花、振袖……
『あ、これか…』
輝かしいほど存在感を放った1着の着物が、瞬時に私の目を奪った。
日輪の好きそうなものだ。
月詠「ちなみに、晴太は菊の描かれた着物じゃ」
『菊？…おォ、晴太も振袖じゃん。あれ、ツッキーは？』
月詠「わっちのはピンク色の振袖じゃ」
『え、ピンク？ツッキーが？ピンク？』
月詠「そっ、それは主に似合うと思ってだな…！」
決してわっちの好みでは……と、あたふたし出すツッキー。
『分かった分かった……着るよ、ちゃんと』
月詠「…主、本当に銀時に似ているな」
『やめろ吐き気しかしねェ』
.
それから、着物を片しながらツッキーと話をした。
吉原には変わらず太陽が昇っており、みんな楽しくしているらしい。
晴太も日輪も元気だと聞いて安心した。
月詠「今日は日輪と約束があるから、また今度連絡するな」
『あいよー』
私は通話終了ボタンを押し、綺麗になった床に転がった。
……今度、久しぶりに着てみようかな。
.
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フルーチェ侍 - 500票目ゲットだぜ！面白かったです！続編見てきます！ (2022年9月5日 21時) (
レス) @page50 id: 529ebb08c2 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - アキ猫さん 同感！！ 読んだときすごいしっくり来た。 (2020年9月6日 16時) (レス) id: 078bed45a6 (このIDを非表示/違反報告)
アキ猫(プロフ) - 所々セリフが文ストで俺歓喜 (2019年1月13日 17時) (レス) id: 863df592fc (このIDを非表示/違反報告)
ｳﾂｹ(プロフ) - もう沖田落ちにしてレベルで風邪の時の総悟好きすぎてつらい。まだ全部読んでないで風邪まだ読んでコメントする私もどうかと思うけどッ！ (2018年11月17日 4時) (レス) id: 322a6d655f (このIDを非表示/違反報告)
朝霧雪(プロフ) - ちらちゃんさん» 私の話のリクエストってありますか………？ここで言うのもなんなんですが……。 (2018年9月30日 13時) (レス) id: a1c799e4f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらちゃん x他2人 | 作成日時：2018年9月11日 22時
