平和の象徴 ページ3
貴方side
『俊典さん、いらっしゃい』
オール「お邪魔するよ、Aさん」
テレビでは見たことがない、痩せ細った体。
、
私はオールマイトの秘密を知っている。
つい最近、彼はオール・フォー・ワンとの戦いで重傷を負った。
そのせいで活動時間が短くなり、
マッスルフォームを保ちきれなくなっている。
、
茶の間に案内し、向かい合うように座る。
オール「用もないのにお邪魔して悪いね…」
『いいんですよ。
いつでもいらしてください』
お盆に乗せたお茶と茶菓子を出しながら言う。
オール「…そうだ。転弧くんは元気かな？」
『はい。最近はよく笑うようになりました』
オール「そっか…」
苦しそうな顔をする彼に、
私は何て返せばいいのか分からなかった。
、
オール「……Aさん、私は君が好きだよ」
沈黙を破ったのは、突然の告白。
『俊典さん、貴方にはもっといい人がいる』
オール「いや、私には君だけなんだ」
『私じゃ貴方を支えることはできない』
オール「現時点で、私は君に支えられているよ」
優しく微笑み、掠れた声で告げられる。
オール「君は警戒心が無さすぎるよ…
いつも私以外のヒーローがここに来るだろう？」
エンデヴァーとか。
と、続けられる。
『そうですね。でも今は子育てで忙しいので、
色恋沙汰に現を抜かしてる場合じゃないんです』
今までも何度か告白された。
でも、私には転弧という子供がいて、
今は子育てに力を入れなきゃいけない。
それに私はプロヒーロー。
今が頑張り時なのに呑気に恋愛なんて、
それこそ周りに呆れられてしまう。
、
『……もう少し転弧が大きくなったら、考えさせてもらいますね』
今は、断ることしかできない。
オール「そっか…悪かったね、変なこと言って」
そう言って苦笑いをする俊典さん。
何故か、心がチクッと痛んだ。
、
オール「そろそろお昼か…
ヒーロー活動してこようかな！」
と、素早くマッスルフォームになる。
『…いってらっしゃい』
俊典さんを玄関まで見送り、私は昼食作りに取り掛かった。
、
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おきた ねる - めっちゃ面白いです！これからも最新頑張ってください(*^^*) (2018年10月22日 10時) (
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作者名：ちらちゃん | 作成日時：2018年9月21日 23時
