両面宿儺と女子高生の日常！【呪術廻戦】

呪い方2 ページ20

「なぜ、出来ないのだ」

思った以上に宿儺は本気で私を鍛え上げたいらしい。

って言っても私今、撲殺寸前ですけどね。


殴るっていう行為だけでもう片目潰れてるし、声出ないし。

一瞬でも気を抜くと意識が飛ぶ。


「とりあえず1回死んでこい」

嘘でしょ⁉


宿儺が言い終わる前に殴られてたぶん、頭が粉砕したんだろうな。



ガバッ！

『ぅ、ごほっ、ごほっ、ごほっ』

目を開けると同時に咳き込む。


生きてる⁉



咳き込んで涙目になった目で周りを見るとベッドの上。
時計は夜中の2時を指している。


「おい、勝手に逃げるな」

怒り気味の宿儺。


『殺したの誰ですか⁉』


…たとえ殺そうが俺が逃がさない限り領域を勝手に抜けるのは無理なはず。



「まだ夜中だろう。時間はたっぷりあるぞ。さぁ、寝ろ」

『えー！まだやるの⁉あんな、死にそうな…いや、1回死んだけど！そんなのやりたくない！』

「貴様が呪力を発動できないからこんなことになっているのだ」

『んもー！何にしろ死ぬ未来しか無いって訳ね！』

呪霊、呪術師、宿儺。どれも嫌い！



あ〜、またもや殺されそうですよ。

次はあの時の再現らしくズパッと肺に穴が空く。


呼吸！呼吸が出来ないのが1番嫌い！苦しくて死が迫ってくる予感がしてならない。


『あ、か』

とにかく酸素を取り入れようと必死になる間、宿儺は見ているだけだった。

たしかにさっきぐらいのペースで殺しにこられたら呪力うんぬんの前に死んでしまう。


とにかく、生きたい。生きる事だけを考える。酸素、酸素の取り込めない体に意識を向ける。



…先程より呼吸が楽になった気がするのは気のせいだろうか。



「ほう。使えているな」

膝をつく私の横で覗き込むようにしゃがんだ。


『す、くな、使える？』

「無自覚か。今は自分に向けて使っているな。重力操作か。肺にかかる重力が少なくなって酸素の取り込みが楽だろう」

『そう、だね』

顔を上げるのは無理。とにかく吸って、吐く。これだけに集中する。


「呪力を使う感覚がわかるか？」

首を振る。


「掴めるまでそうしていろ」

若干苛立った様子。


ずっと⁉死ぬ！死んじゃうよ、宿儺さん！

『や』

その言葉を無視して行ってしまう。

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