両面宿儺と女子高生の日常！【呪術廻戦】

入学式2 ページ17

「おい、来るぞ」

影が見える前に教室の窓から飛び出す。


グラウンドに出て、振り返る。

怖いけど…宿儺は完全に助ける気ゼロだし、やるしかない！


だが、その間に髪の毛が足に絡まり、ブンッと足が上になる。そのまま放り投げられた。

『っっっっ！？』

地面に背中を打ちつけて息が一瞬止まった。

『う…？あっ！』

霞んだ視界にまた髪が見えて、地面を転がって髪を避ける。

髪が地面に刺さった。


ははは、何だこれ。入学式楽しみにしてたのにさ。呪霊と闘うとか聞いてないって。


「構えろ。終わらないぞ？」

今この瞬間が一番憎い。なんでなんでなんでこんな目に遭ってんだよ！！！


『あああああぁ！』

人(呪霊)を殴るなんて初めてだし、殴り方なんて知らないけど、とりあえずそれっぽく殴る。


でも。

「ふん。呪力が乗ってないぞ」

わかってる。だって呪霊、笑ってるもん。


ズブッ。

体に異物が入る感覚がした。右の肺のあたりに髪の毛の束が貫通した。

すぐに呼吸が苦しくなって咳き込むと血が出た。立っていられなくて膝をつく。


は？信じられない。


『あ"、？』


これ以上は無理か？

宿儺がそう思ったとき。


Aは膝をついたままだが呪霊の様子がおかしい。

呪霊の身体がギシギシと何かに圧迫される様に地面にへばりつく。


「A？」

『＿＿ぃ＿＿＿ぁ＿＿＿＿＿＿』


何かを言っているようだが言葉になっていない。


左手で喉を押さえ、右手を呪霊へかざす。

『ゔ、あ、死ね』

肺が上手く機能せず、言葉を発するたびに血が溢れ出す。


地面に押し付けられていた呪霊はついに耐えられなくなったようでぐちゃぐちゃに弾け飛んだ。


ピチャとAに呪霊の肉片が飛んで、消えた。と、同時に倒れ込むA。




「はははははっ、ははっ！！！上出来だ！A！！こうも上手くいくとは思わなかったぞ！！！」

ゲラゲラと笑う宿儺。


見たところ重力を付加するものか引力を使ったもの。それか何か目に見えないものがいたか。
どれにしろ応用は効くだろう。

そこまで考えて宿儺は満足気に笑った。

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