両面宿儺と女子高生の日常！【呪術廻戦】

呪い方4 ページ22

今回は学校の近くの山まで逃げる。

周りを巻き込むのはいただけない。


あー、遠すぎる。ここに来るだけで疲れた。


呪霊は細長い腕を何本も伸ばして掴もうとしてくる。掴まれればあの口に食べられるのだろうか。


その手を避けて近づき、とりあえず呪霊を殺したい！と思いを込めながら蹴ってみるもびくともしない。

宿儺の特訓のおかげで攻撃を避ける勘や素早さ、目で動きを捉える事はなんとか出来た。

でも肝心の呪力は出せない。

「それではまた、死んでしまうぞ？」

助ける気の無い声が聞こえる。


わかってるよ、そんなこと。でも、出来ないの！

1度距離をとってまた背後から近づき、殴った筈だったのに。

背中にも口がグパッと開いたのを見えたものの、殴ろうとした腕が止まらず肘から下を持って行かれた。


『あ"ああ"あ"あ！』

痛みに意識を向けたのは一瞬。腕を押さえながらまた距離をとる。

生得領域での痛みに比べればマシだったからそのまま動き続ける。

どうせ私がどんな状態でも助けてくれないんだからさ。


そう思っていると。

「はぁ〜、見ていられんな。俺に代われ。手本を見せてやる」

『…お願い』


すっと代わったAの体は一気に雰囲気が変わる。知らぬ間に腕も治っている。

「よく見ていろよ？最大限に力を抑えて長く戦ってやるぞ」

それにありがとうというべきなのかわからないが宿儺の戦いには興味があった。

最初の呪霊の時は意識がなかったから宿儺の戦いは初めて見る。


「まず、これが呪力だ」

宿儺が指を弾くと呪霊は軽く後ろに倒れる。


ん？？何やったかさっぱりだ。

そんな心の声はいざ知らず、説明される。

「今のはただ呪力の塊をぶつけただけだ。次が術式」


向かってくる長い腕の1本が切れる。

「今のは呪力に式を加えて何かしらの効果を付加したものだ。今回のは斬撃だな」


あらかた腕を斬撃で斬っていく。


「最後に、領域展開だ」

領域展開、伏魔御厨子。


空が、地面が、空間が黒く塗りつぶされていく。

足元は水が張られ、ぼんやりと光るおどろおどろしい建物。そこに鎮座する宿儺はやはり王の威厳がある。

見たところ生得領域とあまり変わらない構造だが、ここは現実。

やっぱり宿儺は凄いんだろうな、と感心した。

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