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病弱 ページ1

今日もあの方のところへ行かなくては。

身体が病弱なのは仕方がないけれど、心まで弱いのだから困った人だわ。まあ、そんなところもお慕いしていますけれど。

そんなことを言うと怒ってしまうけれどそこがまた可愛らしいところだと思っている私も大概かしら?

年上とは思えないわ。



「鬼舞辻邸到着致しました」


その声を聞いてゆっくりと牛車から降り、無惨様の下へ向かった。





『無惨様、Aです。お加減いかがですか?』

「またAか。呼んでいない。来るな」

Aは扇子を口元へ持って行きふふっと笑う。


『夫を支えるのは妻の役目でしょう?』

嫌そうに眉間に皺を寄せる鬼舞辻。


「まだ婚礼を挙げていない。親同士が勝手に決めたことだ」



知っていますとも。貴方が昔私に見惚れて親に婚姻を強請ったのでしょう?貴方のご両親ともそれなりに仲良くさせていただいていますもの。



『そうでしたね。ではお湯を持って参ります』



さて、ここからが忙しいところ。とりあえずこの動きづらい服を着替えなければなりません。全く。こんなに重い服を着て、身分が高いのも考えものですね。



最初はAに世話をさせるなどと慌てふためいていた童女やら女中やらが今はにこやかに手伝ってくれるものだからだいぶ楽に行えるようになった。



『では、身体をお拭きします』



なんなのだ、こいつは。毎日毎日飽きもせず私のところへ通って。男の体に触れて恥じらいも無いとは一体どんな教育を受けているのだ。その辺の町娘ですら恥じらうだろうに。



じっとAを見つめる鬼舞辻の視線に気づき、顔を上げると視線がばっちりと合う。


『えっ、と、何か?』



やっぱり顔はいいな。美しい。こいつの許婚になるのは誰か付近の男共は競ったものだ。Aの親とうちの親が仲が良くて助かった。



『無惨様?』

ふいに顔を近づけられてドキッと心臓が高鳴る無惨。


「いや、…なんでもない」

『…少し熱が高いようですね。今日は一日あまり外には出ないように致しましょう』



熱が高いのは貴様のせいだ、馬鹿者。そう言ってしまいたいが、言ってしまえばそれを逆手にとられるに決まっている。

何も言わないのが1番いい。


それを既に知っている鬼舞辻は口を閉じた。

贈り物→



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Pistachio(プロフ) - メメさん» 主人公ちゃんかなりしっかり者でかっこいいですよね!無惨様がけっこう子どもだなぁと思ったのでかっこいい方がいいかなと思ってこの性格にしてみました!お読みいただきありがとうございました! (4月27日 0時) (レス) id: 7faa805a0d (このIDを非表示/違反報告)
メメ - 面白かったです。主人公がとてもカッコよくて、「うわ〜」って思っちゃいます。 (4月26日 13時) (レス) @page12 id: 7b4a5b0ad7 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - YUIさん» 鬼達の過去がいいんですよね〜!一緒の人がいて嬉しいです! (7月30日 1時) (レス) id: 2e787d1fce (このIDを非表示/違反報告)
YUI - 私も鬼推しなので気持ちがものすごく分かります!!! (7月16日 8時) (レス) @page12 id: 1121998891 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - マリイ(七海建人の嫁)さん» 無惨様いいですよね!私も好きです! (2022年10月28日 11時) (レス) id: 21768fa7fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Pistachio | 作成日時:2019年12月27日 15時

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