第六十話 ページ10
〜A〜
「ん……」
目が覚めると夜が明けていた
あのままずっと気を失ったままだったのか
体が痛くて重い
「早く帰らないと」
いつまでも横たわってる場合じゃない
「む……むざ……」
なんだっけ
夢の中で誰かに何かを言われた気がした
ボーっとする頭で考えても思い出せず、帰る事を優先した
途中、何度も足は止まり月彦さんを気にかけた
あんな風に突き放すべきではなかったかもしれない
今からでも……
どの面下げて会いに行くつもりなんだろう
二人が死んだのは月彦さんのせいじゃない
悪く思うのは筋違い
頭では分かっているのに他人を思いやる気持ちを持って欲しいなどと思う
険しい山道を超えて帰り道の村で栗饅頭を買った
あまり
ちょっと不満そうな表情はするけど喜んで食べてくれる
森は今日も緑が生い茂る
記憶が正しければ私が物心着く頃から一度も緑が絶えた事はない
守り神がいるのではと噂は広がり年に4回、四季が移り変わる際に供物を供える習慣がついた
「ただいま」
夕満「おかえりー!!」
「うぐ……ただ……い、ま」
傷だらけの体に飛びつかれると痛みが……
父「なんだ。怪我してるのか」
「山でちょっとね」
父「あまり無茶はするなよ」
言いながらも戸棚から薬箱を取った
「やっぱりさ。お父さんのほうが手際いいね」
父「そりゃお前……父さんのほうが長く医者やってるからな」
褒めると照れたように笑いながら治療のスピードか上がる
人の言葉を素直に受け取るのはいい事だけど家族の間では単細胞と呆れられる
「そういえばさっき花壇を見てきたけど青い彼岸花があったね。あれお母さんが作ったの?」
朝音「違うよ〜。あれは「そうよ」
朝音「え?」
母「綺麗に咲いてるでしょ?」
「うん!もっかい見てくるね」
朝音「どうして嘘つくの?あれはお姉ちゃんが作ったんじゃないの?」
母「いい朝音。あの青い花は全部お母さんが作ったことにして。Aが特別であるという事は誰にも知られちゃいけないの」
朝音「分かった」
「本当に綺麗だな」
まだ小さいけど1〜2週間もすれば薔薇や長春花と同じように育つ
でもいいのかな
青い彼岸花は作ってはいけないはずなのに
これがあれば月彦さんの奇病は治る
渡してあげたいけどきっともうあの宿にはいない
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麗(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時