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第五十九話 ページ9

〜A〜



医者の子供なんて所詮はその程度


死んだ人間を生き返らせれるわけじゃない



どれだけ頑張っても救える命は少ない



そんなの最初から分かっていた


分かった上であとを継ぐ事を決めた





なのに……





人とは思えないような月彦さんの言動に医者としての職務を放棄した




月彦さんを酷いと思うなら、私は最低の人間だ




期待させて、でも自分の都合で突き放した




逃げるように宿も出た





胸に穴が開いたような気分だ





私はただと救いたかっただけなのに
















朝音「お母さーん!あれ見て」


母「あれは……」


朝音「どうして青い彼岸花が咲いてるの?さっきまで何もなかったのに」


母「Aが……傷ついて、それでも誰かを愛しいと思ったから」


朝音「??」
















夜の山道は本当に何も見えない



こうも木々が高いと月明かりは山の中まで照らせない




このまま鬼にでも襲われたら死んでしまうのだろうか



それでもいい




人を救えないぐらいなら私なんていなくなっても誰も困りはしない




そんな事を思っていると足場が崩れた



せめて道具だけは……と、庇うように滑り落ちて行った




幸いだったのは死に至るような岩や枝にぶつからなかった事だ



体中打撲や擦り傷で痛いけど



しかも大きな木に背中を打ち付けたせいで意識が遠のく









〜無惨〜




無惨「大人しく私と宿に泊まっていればこんな事にはならなかった」


怪我をして気を失うAに言っても、私の言葉は静寂に飲み込まれる



せめて人目のつく場所に移してやろうと思ったが寸前のところで手は止まった



こんなAに触れたいわけじゃない



もし私に他者の傷を癒す力があればすぐにでも治してやるというのに



無惨「A。私はお前にこの名を呼んで欲しい」


月彦なんて仮名ではなく私の本当の名を



愛しいとさえ思わせるその顔にグッと近づき、唇が触れる僅か1ミリの距離を保ち


無惨「私は鬼舞辻無惨だ」


触れたい衝動を抑えて今日のところはAが目を覚ますのを木の上から見守った



襲われないように、私がいつでも守ってやれるように



全ては運命なのだ


私達がこうして出会った事は



Aが私の為に在るのだとしたら私もまたAの為に在る



これを運命と呼ばずしてなんと呼ぶ




青い彼岸花を作ったあかつきには私が娶って(めとって)やっても構わない



そう思うほど特別な存在

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設定タグ:鬼舞辻無惨 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時

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