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第五十七話 ページ7

〜無惨〜



「期待させるような言動を取ってしまい本当にごめんなさい」


バカのように頭を下げた女は私が掴もうとした手に気付きもしないで陽が傾きかけた森に行ってしまった



まさか私が殺したあの男の死体を探しに?



この私よりも人間を優先させるだと





なぜこんなにも腹立たしい





女はなぜ、私を軽蔑するような目をしていた?





こんなにも……追いかけたいと思うのはなぜだ?





扉の向こう側に行くことは決して叶わない





戻ってこいと呟いてもここには私しかいない


私の声など届きはしない



陽が落ちれば女の元に行ける


早くしなければ下級の鬼共に喰われてしまう



稀血ではないが特殊の血


推測だがあの女は人間千人分の役割を果たす



もしかしたらそれ以上かもしれない




そしておそらく細胞(からだ)も変化させる




もしそんなことになったら……




くそ!!



喰われてたまるか!!





この私が人間なんかの身を案じなければならない



陽が完全に落ちるとすぐさま森に駆け出した



これまでに感じたことのない感情に駆られながらも無事でいて欲しいなどと願っていた



感情(その)正体なんてものに興味はないが、それは随分と昔に失くした(捨てた)感情(もの)のように思えた



無惨「どこにいる」


探しに行く時間が遅れたせいで女は見つからない



こんなことなら死体は宿の前にでも捨て置くんだった



よもやこの私が走り回る羽目になるとは




せめて女が鬼であれば容易く見つけられるというのに



森を片っ端から探すのは効率が悪すぎる


あの独特の気配を探せ


目を閉じて全ての神経を集中させた


千年感一度も感じた事のないソレは、ある空間だけ異質な空気をまとっていた


無惨「いた……」


森の中心に、あの宿に行くまでに私が殺した死体を前に呆然と立ち尽くしていた


死体を見るのは初めてではないだろうに


その後ろには下級の鬼が一匹、女に襲いかかろうとしていた





無惨「その女は喰らっていい人間ではない」


女が気付く前に肉片も残らないよう細胞を破壊した





襲われている最中(さなか)に助けてやれば恩を売ることができた



それを出来なかった(しなかった)のは傷を負わせたくなかった


怖い思いをさせたくはなかった



無惨「くそ……!!」


体が熱い



こうして見ているだけでは物足りない



そうか



私はあの女に、Aに触れたいのだ

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設定タグ:鬼舞辻無惨 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時

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