異常愛と束縛愛【鬼滅の刃】鬼ノ章

第百話 ページ50

〜無惨〜




上弦以上に匹敵するその動きは私の体を確実に刻む


攻撃が速すぎて再生が追いつかない




炭治郎｢す、すごい……｣




このまま悠長にやられているわけにはいかない


理屈は分からんがAの体は我々鬼と同様の回復力がある


致命傷にならない程度に動けなくしてやる



そして目の前で、その小僧を殺す



無惨｢っ……｣


腹を抉ろうとした腕はAに届かない



あの刀の間合いに入ればたちまち斬られてしまう



あの目と呼吸のせいか




ならばその腕を切り落とすまでだ




｢これで終わりだ。鬼舞辻｣


白命刀では鬼の頸は斬れない


その刀は斬るためのものではなく“生命の移し”を目的としているからだ



ただ刀を振るうだけでなく、呼吸と型


両方を使って初めて生命を移せる



｢生の呼吸 壱ノ型 生々の……っ！？｣


刀を振り抜く寸前に動きが止まった


累の糸か


あの蒼い炎は何も燃やせないようだな



無惨｢安心しろA。痛いのは一瞬だ｣


炭治郎｢Aさんから離れろ！！鬼舞辻無惨！！全集中･水の呼吸 壱ノ型 水面斬り｣


無惨｢その程度でこの私に勝てると？勘違いも甚だしい。死ね｣


｢私の仲間を傷つけるな｣


違う違う


そんな吹けば飛ばされるような紙切れ同然のザコがAの仲間(もの)であるわけがない



なぜAの洗脳が解けないのだ


私の血を……


とうに捨てた愛情でさえ与えてやったというのに……！！




｢生の呼吸 参ノ型 雷極の白矢｣


糸が切れたわけではない



己の肉がはち切れてもお構いなしに体を動かしているのか




鋭く速いひと振り





この太刀は躱せない




当たればどうなる？


死ぬのか？



A自身も知らない呼吸



全てはあの刀が意志を持ちAを情報を与えている



死んだのは貴様が脆いからだろう


それを未練ったらしくいつまでも……



この寄生虫が！！




｢鬼舞辻。死んで｣


無惨｢この……っ！！｣


今の私に残された選択肢は肉片を分裂させてこの場から逃げ遂せること



｢逃げるな鬼舞辻！！最後まで戦え！！｣


千八百に散らばった私の肉片を斬った


それも千七百も



“あの男”でさえたった千五百と少ししか斬れなかったというのに




A



やはりお前は特別だ



だからこそ、そっち側にいることは許されない






鬼狩り……





産屋敷！！





必ず貴様らを葬ってやる





それまでせいぜい私のAを死なないように守っていろ

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