第八十八話 ページ38
〜無惨〜
記憶がないとはいえ体に染み込んだ鬼狩りの日々は今のAを私から奪おうとする
連中の殲滅だけでは私の気が収まらん
家族も友人も、奴らに関わった人間を皆殺しにしてくれる!!
「鬼舞辻!!」
無惨「な、なんだ」
「あんたらの正体は今はまだ知らなくていい。でも、一つだけ答えて。なんでこんなとこに連れてきたの」
言うほど不明な場所ではない
遊郭とは別の、人が出入りしなくなった古ぼけた空き家
月彦や俊國の家に連れ帰るわけにもいかん
A一人を養うことはどうという事はない
人間を殺してそこから金を奪えばいい
「あの喋る人形持ってきてないじゃん!!消えるとこ見たかったのに!!」
無惨「……ふっ、そうだな」
「なに笑ってんの」
無惨「安心しろ。夜が明けるまでに持ってきてやる」
玉壺が死んで上弦の月が欠けてもさほど問題はない
「いいよ。じゃあ許してあげる。そうだ鬼舞辻」
無惨「A。私は、鬼舞辻無惨だ」
「知ってるよ?」
無惨「ならいい加減。私を名で呼んだらどうだ」
「なんで?」
心底嫌そうな顔をした
無惨「言ったはずだ。付き合っているんだぞ」
「しっくりこないんだよ。鬼舞辻を無惨って呼ぶの。きっとさ。記憶を失う前の私は、鬼舞辻を鬼舞辻って呼んでたんだよ」
無惨「だからなんだ?今のAにはなんの関係もない」
「そうかもしれないけどさ。とにかく嫌なものは嫌なの」
頑固なAを説得出来るとはハナから思ってない
反抗的なAも、一緒にいればそのうち従順になる
満月の夜というのはどうしてこうも感情を高ぶらせる
触れたい想いは、触れてしまえばもっと……と、欲してしまう
求めるような激しいキスにAは気付いたのか、顔を真っ赤にしながら、ここが外だという理由で強く拒む
そんなのはお構いなしにキスを続けていると初めて女らしい、弱々しい姿を見せた
「き、きぶつじぃ……」
涙目になりながら、呂律の回らない口調で呼ばれると理性が切れる
要は、外がダメならさっさと中に入るまでだ
Aを抱き上げて明かりも点かない家の中に足を踏み入れた
月明かりが照らすベッドに放り投げた
「ちょ、きぶ……」
無惨「うるさい黙れ。存分に可愛がってやるから私に委ねろ」
耳にキスを落として、手と手を絡めた
無惨「愛してる。A」
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麗(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時