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第八十一話 ページ31

〜A〜




堕姫「ええい。泣くな。鬱陶しい」


姫様の癇に障ったのか盛大な舌打ちをしながら何度も踏み付けてきた


泣いているのは痛いからじゃない


痛いには痛いんだけどね



私の名前を呼んでくれる優しい声の持ち主に胸を締め付けられているから


堕姫「無惨様に気に入られているからと調子に乗るな。薄汚い小娘の分際で……!!」


それって姫様は鬼舞辻が好きってこと?


だとしたらなんとはた迷惑な修羅場に巻き込むかな



顔を庇うようにうずくまっていると蹴られ、踏まれの攻撃が収まった



これで顔を上げた直後に強烈な一発がくるとかじゃないよね


かと言って「終わりました?」なんて聞いたら火に油を注ぐようなもの


じっとしてると、姫様の足音は部屋から遠ざかっていく



ひとまずは助かった



起き上がると全身に誤魔化しの効かない痛みが走った


姫様は綺麗な顔をしてるのに暴力的なんてもったいない



私が姫様ぐらいの顔立ちだったら、お筝とか弾いて、一つ一つの動きを上品に、しなやかになるように努力する




そうだ


今のうちに早く部屋を掃除しておかないと


体に鞭打って、痛いのは我慢した



こんなのは“これまでに受けてきた傷と比べたら”……



記憶の蓋が開きそうになると、もう一人の自分が邪魔をして閉じてしまう



思い出さないほうが幸せだと





「よし。完璧」


部屋に宝石を散りばめてると言っても過言じゃないほどピカピカになった


これなら怒られずにすむ



達成感に浸っていると、微かに血の匂いを漂わせながら姫様は帰ってきた



堕姫「お前の部屋はあそこだ」


そう言いながら指を指したのは、どう見ても物置小屋


屋根があればどこでもいいんだけどね



これ以上逆鱗に触れないように深く頭を下げて感謝を述べた



今日は傷が痛むから早く寝よう




布団さえ用意されていない小屋は、姫様が私を心底嫌っていることを物語っていた





埃にまみれたタオルケットを外で叩いて(はたいて)毛布代わりにした





襲いくる睡魔に負けて眠りについた









夜も遅い時間



普通なら誰もが寝ているであろう夜中に、この小屋に向かってきている足音に目が覚めた




いやいや。おかしいよね



だって私かなり熟睡してたからね?



この扉が開けられた音が聴こえたならまだしも、足音って……



凄すぎじゃなかな


前の私



命を狙われてたら、そんな普通の人間がやらないような技まで身につけてしまうのか

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設定タグ:鬼舞辻無惨 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時

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