第五十四話 ページ4
〜A〜
この森には薬となる材料が沢山あってまさに宝の森
よく足を運ぶから動物達もいつしか私を歓迎してくれるようになった
木の上の木の実等はリスや鳥が落としてくれる
｢いつもありがとね｣
お礼にドングリをあげると左右のほっぺにチュッとされた
それが可愛くて私もスリスリする
カゴがいっぱいになると日が沈みかけて急いで宿に戻った
無惨｢何を……しているのですか｣
｢び、ビックリした｣
部屋で材料の仕分けをしてると不意に声をかけられた
気配がなかった
無惨｢すみません。ノックしたのですが返事がなかったもので｣
｢そ、そうだったんですか｣
私の悪い癖だ
何かに集中すると周りが見えなくなる
宿で休んでる間は誰も部屋を訪れないから油断した
｢私に用ですか？｣
無惨｢先程の薬のお礼を。あれを飲んだらいくつかマシになったので｣
｢それならよかったです｣
喜んではみるものの顔色はあまり変わっていない
元々そういう色なのかも
だとしたらあまりとやかく言うのは失礼か
さっき会った時は人とは違う何かを感じて怖いと思ってしまったけど、こうして見ると普通だ
無惨｢貴女は薬師なのですか？｣
｢いえ。医者……の娘です。でも知識はあるので安心して下さい｣
無惨｢まだ若いのにすごいですね｣
｢私なんてまだまだです。ゆくゆくはどんな人も治せる医者になるのが夢なんですけど、先は遠いというか……｣
無惨｢貴女ならきっとなれますよ｣
微笑むと綺麗な顔をしている事が一目瞭然
これまで男の人なんて意識した事がなかったからドキッとした
世の中にはこんな人もいるんだ
こうして向き合っていると急激に恥ずかしくなった
私の着物は山道を通るから色んなところが破れたり汚れたりしている
こんな高貴な人と並んだら私のみすぼらしさが増す
無惨｢どうしました？｣
｢い、いえ！あ！！私ちょっと……｣
これ以上一緒にいたら気持ちが沈みきってしまう
惨めな思いをしないためにも同じ空間にいたくなかった
逃げようとすると腕を掴まれた
無惨｢私の病を貴女なら治せるかもしれません。是非とも私の主治医になってくれませんか？｣
｢そんな……私……｣
紅い瞳に吸い込まれそうになった
この人の病がどんなものかも理解していないのに安請け合いできない
言葉が詰まる
まるで断るなとでも言いたそうな圧に唾を飲み込んだ
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麗(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです！脱字でした！！ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい！すぐ直します！！ (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか？ 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆ
| 作成日時：2020年7月2日 23時
