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第八十話 ページ30

〜A〜



「あの……っと、あーー……」


この人の名前なんだっけ?


鬼舞辻は“姫”って言ってたよね


姫様って呼んだら怒るかな?



堕姫「いいかい。お前は私の言われた事だけをやってればいいの」


「は、はい」


堕姫「私が客の相手をしてる間は部屋の掃除でもしてな。埃一つでも落ちてたら許さないからね」


掃除は得意だ


だっていつも……いつも?


一人になると目の前の景色が変わって見えたような気がした


見渡しても誰もいない


でも……知ってる


私を呼ぶその声を……



モヤがかかったように顔はハッキリと思い出せないけど、その存在は今でも愛おしい


鬼舞辻ならこれが誰か知っているだろうか



私に向けてくれるその笑顔


触れようとすれば許さないとでも言うように残像は消える


堕姫「何をしている」


「え……」


いつの間に……?


時間飛んだ?



まだ数分しか経ってないと思ったけど、ない記憶に想いふけってる間に長い時間が経過していた


堕姫「私が戻るまでに掃除を終わらせておけと言ったでしょ?それともこの耳は飾りなのかしら」


「いっ……」


人とは思えない力で耳を引っ張られると、ちぎれるような痛みに思わず抵抗してしまった


“体がその動きを知っているかのよう”に流れるようにその手を払って、姫様の顔に蹴りを入れていた


「わぁぁーーー!!ごめんな……」


堕姫「この私に楯突こうなんていい度胸だね」


血管が浮き出るほど怒り狂った姫様の拳は重かった


当たる寸前に“避けられる”と思ったけどそんな事したら更なる怒りを買いそうで避けなかった


目に当たって失明するのも鼻に当たって曲がるのも嫌だったから、向きを変えて頬を殴られた


強すぎる衝撃にクラっときたものの気絶はしなかった


自分にここまでの動体視力がある事に驚いた


あと頑丈さ



私は本当に何をしている人間だったの


少なくとも“普通”ではない


私を狙う異常者の集まりである鬼殺隊に関係してるのだろうか


自分の事なのに何も知らない事が何よりも恐怖だった



このうっすらとある記憶の全てを知りたい



家族を殺した産屋敷という人に会いたい


そしたらきっと何かに思い出せる


だってその名を口にするだけで、こんなにも涙が溢れてくる


優しい声と温かな目


特別な存在であった事は間違いない



会いたくて会いたくてたまらない



こんなにも心を温かく満たしてくれる産屋敷さんに

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設定タグ:鬼舞辻無惨 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時

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