第七十五話 ページ25
〜A〜
悲しい夢を視ているようだった
今にも泣き出したくなるような、胸が張り裂けそうなほど痛い
目に見えない感情は体の中をグルグル回り、怖くもあった
無惨「大丈夫かA。怪我は……」
「あ……はい。大丈夫です。多分」
無惨「は……?」
「え……?」
水も滴るイケメンさんはゴミを見るかのような目をしていた
怪我をしていると言えばよかったかな
頭がズキズキして痛いけど、血は出てないから怪我はしてないと思う
いや……出てるわ
めちゃくちゃ出血してるじゃん
え、なに。死ぬの私
意識すると痛くなってきた
傷口を抑えて
無惨「そういえば怪我を……していたな」
「すごく……痛いです」
無惨「治してやれん事もないのだが……」
「それはお願いしてもいいんですか?」
無惨「一応聞いておくが、私が誰だか分かっているのか」
「いいえ!!全く存じ上げません」
無惨「記憶喪失というやつか」
「でも……自分の事はうっすらと覚えてます」
無惨「そうか。詳しい事は後で聞く。今はここを離れるぞ」
イケメンさんは軽々しく私を抱き上げた
なにこれ!?
どうしたらいいの!?
無惨「暴れるな」
暗い道
向こうなんて見えやしないのに迷いなく足は進む
というか、この人は誰なんだろう
止血も何もせずにずぶ濡れのまま運ばれるなんて夢にも思わなかった
せめて体は気遣って
このまま腕の中で息を引き取ったらどう責任を取ってくれるのだろう
私はこの人に嫌われているのだろうか
さっきはあんなにも心配そうな素振りだったのに
自分の事以上に傷ついたようだった
関係性も知りたいよね
イケメンさんを見てると、なんかこう……イラッとする
ううん
そんな優しいものじゃない
言葉では表せないような……
この気持ちは一体何なのだろうか
上のほうで声が聞こえる
誰かを呼んでるような、そんな必死な声
あの声に手を伸ばしたかった
それを口にしたら取り返しのつかない事になりそうで飲み込んだ
イケメンさんの腕は私の血で赤く染まっていく
それに何とも思わず私を落とさないように強く抱きしめる
無惨「A。A……?」
痛みから私の意識はなくなり、イケメンさんの温もりに安心していた
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麗(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時