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第五十三話 ページ3

〜無惨〜




この女はなんだ



稀血?



違う



特別ではあるがそうじゃない



この女を喰えば私はどうなる?


長年夢見た太陽を克服出来るのか?


「ど、どうしました?」


噛み付こうと首筋に顔を近づけるとさすがに不審に思ったのか一歩下がった



騒がれても面倒だ


先に喉を潰しておいたほうがいいな




「具合が悪いならこの薬どうぞ。少しは良くなると思います」


警戒しながらも薬を手渡して逃げるように部屋を出た



人間の薬が鬼の私に効くわけがない




私を陽の下に連れ出せる薬は青い彼岸花のみ




増やしたくもない同類を増やして探させているのに情報の一つも手に入らない





気休め程度にその薬を飲んだ






陽に当たらないようにカーテンの隙間から外を見ると女が森のほうに走っていくのが見えた



女の荷物を物色するなら今がチャンスだな




この宿には私と女以外は泊まっていないために部屋を割り出すのは簡単





カバンを漁っていると藤の花の香り袋がいくつも出てきた





どういう事だ?



我々鬼にとって藤の花は毒



にも関わらず手に持つことができる



私が代わった?



昨日まで毒だったものを?





無惨「さっきの薬か」


可能性はそれしかなかった


この私の体を代えたとでもいうのか





下等な人間が





体の内側から込み上げてくる感情に笑いが止まらなかった




あの女ならば青い彼岸花を作れるかもしれない




喰わずに正解だった





作らせるためにはまずは信頼を得る必要がある





千年も待ったのだ



それに比べたらこれからの時間など短い




そのためにはまず余計なものは排除しておこう



宿の主人を殺した



この私が完璧になるための(いしずえ)となるのだ



この男もさぞ喜んでいるだろう



これで後は女が帰ってくるのを待つだけ






作らせるだけなら鬼にして服従させるのが手っ取り早いが、おそらくそれでは望みは叶わない





根拠はない





だが本能がそう告げる


造り手は人間でなければならないと




青い彼岸花さえ手に入れば女は殺す




人間だろうが鬼だろうが、どちらでもいい









女と再び言葉が交わせると思うとなぜか胸が熱くなった



瘴気にでも当てられたか?




この私が人間如きに何かを想うなど……




あの女は私を完璧の生物にするためだけの存在



それ以上でもそれ以下でもない




繰り返し思うことで自分を納得させていた

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設定タグ:鬼舞辻無惨 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時

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