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第六十六話 ページ16

〜無惨〜




あれから数日が経った



約束などしなくても、夜になればAは私に会いに外に出てくるようになった


藤の花に囲まれたここなら鬼と出くわす事もない




Aは何でも(全てを)話してくれた




家族のこと 仕事のこと 隣りに住む男のこと





私の知らないAを知っているその連中に激しく殺意を覚えた




こんなにも近くにいるAに触れられない自分が腹立たしい



無惨「Aさんのような娘を持ってもさぞお父様も鼻が高いでしょうね」


「いやいや、そんな……。私はただ……誰かが働かないと生きていけないから……」


その“誰か”はAである必要はない


母親でもいいわけだ


それなのに自分の時間を犠牲にして金を稼ぐ


Aは十七・八といったところだ


そんな子供が家族の為に色んな事を我慢する姿は“愛おしい”




そう……か



これが答えか



鬼になったあの日から余計な感情(モノ)は捨てた


持っていたところで無意味だったから




つまり私はAを愛しているのだ



一人の女性として





私は愛されたいのだ



この人間に





気付いてしまえばもう止められない




Aへの愛しさが湧く



では、私の体内(なか)蠢く(うごめく)黒い渦の正体は嫉妬か



Aは私のモノだ



出会ったあの日から



それは全部、最初から決まっていてこと



誰にも覆すことの出来ない幸せ(未来)


「あ……あの……。このタイミングで言うのもアレなんですけど」


無惨「どうしました?」


「青い彼岸花……あるんです。ウチに」


申し訳なさそうに声は段々と小さくなる


千年の間、探し求めてきたというのに素直に喜べない


その理由は明白


青い彼岸花を手に入れてしまえばAとの接点がなくなる


会う理由がなくなるのだ


無惨「Aさんが作ったのですか」


「母が。ウチの家系では母だけが特別な(モノ)を作れるんです」


母親が?


そんなはずない


まさか自身の能力(ちから)を自覚していないのか?


その可能性は高い


「飲みやすいように甘めに味付けしてみました。それで……もし効果が消えてたらごめんなさい」


無惨「頂いてもよろしいのですか。貴重な花を私のために使うとお母様に怒られるのでは?」


「医者としてじゃなくて、同じ人として困ってる人を見捨てたくないんです」


笑ってしまうほどのバカだな


だが、そんなバカなAを私は愛している

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設定タグ:鬼舞辻無惨 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時

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