第六十五話 ページ15
〜無惨〜
Aは私を疑っているのか?
何も喋らないAに、こちらから声をかけるべきか判断しかねる
薬の作り方など、適当に水に溶かすとでも言っておけばよかったな
そんな悲しげな表情など見たくはなかった
話題を振ろうにもいいものが浮かばない
千年生きていようが、その間の知識が役に立たんとはな
人間との接し方が分からない
無惨「この辺りは藤の花が咲き乱れているな」
「え……?」
しまった!
思っていた事を口に出してしまった
Aの家に近づけば近づくほど藤の花は増えていく
まるで鬼から身を守るような……
くだらん身を隠す血鬼術なんかより遥かに役立っている
これだけ鬼を警戒していればいくら上弦といえどもここを見つける事はできない
例え見つけても先には進めない
以前の私でも足を踏み入られるかどうか
「詳しい事は分かりませんが500年前から咲かすようにしてるみたいで」
Aは本当にその理由を知らないようだ
普通に考えれば、
だがそれなら作り方は記載され、Aの性格なら私のために作るはず
だとすれば考えられるのは一つ
500年前
鬼の存在に気付き、青い彼岸花を探している事を知ったこの一族は作り方も分からない青い彼岸花を、作れる絶対的な自信があった
そしておそらく、鬼が求めていると伏せられて言い伝えられてきたのだろう
そうでなければ、青い彼岸花を欲する私を人間として接するわけがない
「ここまででいいです。あとはここを真っ直ぐ行くだけなんで」
無惨「いえ。家までお送りします」
「でもこの辺りは鬼が出ると噂されてますから。月彦さんも早く帰ったほうがいいですよ」
無惨「それは……物騒ですね」
「見た事はないんですけど」
目の前にいるんだがな
その鬼は
そんなに心配せずともここに鬼はいない
私が来させない
Aが喰われでもしたら困るからな
「本当にありがとうございました。月彦さんも早く家に帰って下さいね?」
わざわざこの私の身を案じてくれているのだ
今日のところは大人しく引き下がってやろう
無惨「また………お会いできますか?」
「はい。では、おやすみなさい」
その笑顔にまた胸が熱くなる
誰に問えばこの感情の
月明かりの中に消えていくAから一瞬たりとも目が離せなかった
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麗(プロフ) - 26ページ 最後の無惨のセリフですが、」の位置が違うと思います (2020年10月25日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 麗さん» そうです!脱字でした!!ご指摘ありがとうございます。もし他にも見つけたら教えて下さい!すぐ直します!! (2020年10月25日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 10ページ が特別あるという 特別であるではいのでしょうか? 少々わかりづらいです……… (2020年10月25日 6時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 願いがかない、不安が大きいです。。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 主人公んの気分次第になってとても、うれしいです。 (2020年8月26日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2020年7月2日 23時