7 ページ8
「ルシファーが?【まだ】先やって聞いとったけど。」
「此方としても勝手にされると困るんよ、手ぇ焼いてる。あのルシファーの奇行ぶりは永遠に治らんわ。でも気が変わったんか其処のお嬢ちゃんを御所望やねん、何ならお前も一緒に来てええぞって事らしい」
その言葉にふ、と肩の力が抜けたような仕草をしたウツさんは私の方を見て「御免なぁほんまに、君はもう元の平和な生活には戻られへんらしいわ」と告げてきた
漸く状況に適応し言葉に理解出来た私は一度だけ首を縦に振る
何故だろう、ダンタリオンと呼ばれた彼に殺されるような殺気は向けられているしウツさんだって何を考えているのか今になっても分からないけれど…不思議と【何処からかの自信で絶対に大丈夫】と思っている自分がいた
少し……彼と、ダンタリオンさんとお話がしたい
その意志を告げるように私はウツさんの手を離しウツさんから離れると、ダンタリオンさんの方へ少しずつ近付いて行く
ウツさんは戸惑いの声を上げていたし、ダンタリオンさんはけらけらと笑っていた声を止ませ一歩だけ私から距離を取っていた
何となく此方へ来るなという意思表示にも思えたが私には関係ない
大分彼に近付いた私は足を止めて、彼へ声をかけていた
『ダンタリオン…さん、貴方は一体何ですか?其れに、ウツさんも…さっきの黒い靄だって何か分からないです。其れはダンタリオンさんの言う【此方側】に行けば分かりますか?』
「……はぁ、要らん所で度胸のある肝っ玉座ったお嬢ちゃんやなぁ。ははは!まぁええわ、そんな所もある意味…さてさて。そうやなぁ、お嬢ちゃんの問いに答えるとするなら答えはYESや。但し其奴も言うた通りもう元の平和ボケした世界には戻られへんよ、有無を言わさず連れて来いとの事やしもうお嬢ちゃんを連れて行かなあかんのやけど。…有無の有の方だけ聞いたる、来る覚悟は出来たか?お嬢ちゃん」
有無を言わさず、というかもう有の選択肢として決定事項の項目を尋ねてくるダンタリオンさん
ずっとある胸の蟠りが気持ちが悪い、この蟠りが無くなり彼等の事が知れるのなら…魔法省の仕事とか友達の事とかは気になるけれど血の繋がりのある家族は誰一人居ない私は思ったより未練なんてものは無いらしい
きっと私にとって地球の世界はそんなものだったのだ
『分かりました、行きます。』
何処かでギギギと音がした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨桐(プロフ) - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます。更新渋っていたのでモチベが上がりました!これからも頑張りますので応援の方宜しくお願い致します。 (11月23日 14時) (
レス) id: 24188e2a99 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！とても面白くて、一気読みしてしまいました…！悪魔とかそういうのめちゃくちゃ好きなので嬉しい！更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月22日 16時) (レス) @page31 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
