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時折寝返りをうつ彼が石から落ちそうになっている場面を何度化見たが上手い事バランスを取れているのか、落ちそうにはなるが決して落ちる事がない彼
尻尾でバランスでも取っているのかもしれない、なんて月から目を離して彼をまた見つめていると不意に揺れていた尻尾がしゅるりと私の方へ伸びてきては私へ向かって勢いを増してくる
咄嗟に身の危険を感じた私は両手で顔を庇うようにした結果、右腕に尻尾が巻き付けられ動けなくなってしまった
ぎゅ、と締め付けられるが別に痛くて悶えるとかそのような力加減ではなくやんわりと解けない程度に加減されている力で少し驚く
悪魔に力加減が出来たのか、という方の驚きである
まあでも眠っているから無意識にしている線は濃厚で、彼が起きたらこのまま力を入れられ腕の一つ位千切られそうだ
でも不思議と怖い感じはするのだがそんな事はしなさそうという意味の分からない感想が思い付く
少し唸り声を上げた彼はもう一度寝返りした後に尻尾の違和感に気付いたのか、むくりとゆっくりながら起き上がった
「…ん、ふぁあ、よう寝た。……あ、え?」
『あ、えっと…おはようございます。良く眠ってましたね』
起き上がった彼と目が合う事がなかったが、彼は私の方を見つめ寝惚けているような声を発声させた
そしてその視線は直ぐに私の右腕へ向けられ、自分の尻尾が巻き付いている事に慌てたのか直ぐに尻尾を解かせる
彼と視線が合わないのは彼がフードを被っている悪魔だからだ
フードからは器用に穴が空いており、その穴から角を生やした悪魔らしい悪魔はあわあわと右往左往しながら私から少し距離を取るが私がその後から言葉を話さない事を不思議に思ったのか興味を惹かれたのかは分からないが、彼はゆっくりと近付いてくる
「…あ、その…………尻尾、巻き付けて。い、痛かった?」
『尻尾…?成程、心配してくれてありがとうございます。恐らく貴方の眠っていた石から自らが落ちないように咄嗟に近くのものを掴んでバランスを取ろうとしたんじゃないかなって思います。痛くなかったですよ』
なんだろう、とても不思議な悪魔だ
確かに怖いけど物腰柔らかで第一声が心配の声だなんて
ウツさんとショッピさんに見習って欲しいものである
彼は珍しく悪魔の中で【相手への気遣いが出来る悪魔】らしい
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雨桐(プロフ) - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます。更新渋っていたのでモチベが上がりました!これからも頑張りますので応援の方宜しくお願い致します。 (11月23日 14時) (
レス) id: 24188e2a99 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！とても面白くて、一気読みしてしまいました…！悪魔とかそういうのめちゃくちゃ好きなので嬉しい！更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月22日 16時) (レス) @page31 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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