20話 ページ20
もうひたすらに急かされ続けてホームへと続く階段を登りきると、ちょうどいつもの黄色い電車がホームへやって来たところだった。
電車に駆け込みほっとする。
｢ギリ間に合ってよかったな｣
若干息が切れた彼がそう言った。
｢…だね、本当もう無理かと思った。…ついでに死ぬかと思った｣
対する私は膝に手をついて肩で呼吸する。
私達が通学で使う電車はいわゆる下り電車で、
反対側の都市部へ向かう電車は人がごった返している中、こちら側はかなり空いている。
｢Aあそこ座り？｣
ひとつだけ空いていたらしい座席を指さして駿はそう言った。
｢…ううん、大丈夫。駿こそ座ったら？｣
｢いや、さすがに女子立たされへんわ笑それにそんな息切れながら言われてもなんも説得力ないしな？｣
彼は小馬鹿にしたように続けた。
｢電車で盛大に転けられたらこっちが恥ずかしいから座れや笑｣
ちょっとムカついたのでやいやい言ってやったが、もうええから座れと呆れたように言われたので仕方がなく座ってあげることにした。
彼は幼い頃から電車の座席はいつも私に譲ってくれていて、私はそれをずっと不思議に思っていた。
ある時ふと気になって本人に直接尋ねても
｢いや普通に男子が座ってるの変やろ！｣
とか
｢男子には色々あんねん！｣
とかあんまりちゃんとした答えはくれないけれど、一応女の子として扱ってくれることが幼いながらに嬉しかったりした。
今日はこの授業が嫌だとか、こんなことがあったとかそんな話を彼を見上げながら聞くのが好きだ。
こういう学校の話は彼の人気のせいもあって学校ではあまりできない。私自身慣れてしまった面もあるけど、できることならば睨まれたくはない。
それに駿がその事を知った時に、彼なら自分を責めたり、どうにかしようと動いてくれてしまう気がして、彼にも勘づかれないレベルで接触は避けている。
この路線を使う生徒は少ないからなんの気兼ねもなく話せる。
今回彼とクラスが離れたのはある意味救われたのかもしれない。
目の前に広がる景色は電車の微妙な振動とともにあっという間に過ぎていった。
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みーたん(プロフ) - 千夏さん» 頑張りますね！今後とも応援よろしくお願い致します。 (2019年10月24日 23時) (
レス) id: 2d6664e1b5 (このIDを非表示/違反報告)
千夏 - みーたんさんお返事ありがとうございますε=ε=(ﾉ≧∇≦)ﾉすてきなアオハルができるように頑張ります笑 これからも更新楽しみにしていますので頑張ってくださいね！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 376e3536a5 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん(プロフ) - 千夏さん» 坂道で走るトレーニングをすればついていけるかも知れませんね笑千夏さんも素敵なアオハルが出来ますように。これからも楽しんでいただけるように更新していきたいと思います。のろまな作者ですがお付き合い下さいませ。 (2019年10月21日 17時) (レス) id: 2d6664e1b5 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん(プロフ) - 千夏さん» コメント嬉しいです！いつも読んで下さりありがとうございます！確かにイケメンで、でも足早すぎて着いていくの辛いってどんな気持ちなんでしょうかね笑夢主ちゃんは幼馴染ということもありイケメンさには耐性がついてしまっているかもですね笑 (2019年10月21日 17時) (レス) id: 2d6664e1b5 (このIDを非表示/違反報告)
千夏 - わたし道枝君がすきなのでとても面白いです！こんなアオハルしたいなぁとか思ってます笑笑これからも更新頑張ってくださいね！応援しています(^ー^) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 376e3536a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みーたん | 作成日時：2019年9月30日 20時
