いちばん近くて、いちばん遠い。I【虎】 (ページ8)

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宮近side

某日。

俺たちTravis Japanはいつ振りだってぐらい久しぶりに社長室に呼ばれ、きっと重要な話があるんだと察していた。良い話なのか、悪い話なのか、全く検討はつかなかったが、良い話だと信じて今日、この部屋を訪れた。

「ガチャ」

「失礼します、Travis Japanです。」

部屋に入ると、社長とは別に、見知らぬ女性がソファに座っていた。なんとなく見覚えはある気がするけど、誰かよく覚えていない。

そしたら急にしめが耳元でぼそっと、

七五三掛「あの子、××の小虎さんじゃない？わかんないけど、似てる」

確かにそんな気がした。名前までは覚えてないけど、一度音楽番組で見かけたことがあるかもしれない。

よく顔を見てみたら、何故か驚いたような顔をしていた。いや、驚くのは俺らの方のはずなんだけどな…？話があるって、この人も関係あるのかな？よくわからないけど、とりあえず声を掛けることにした。

宮近「あの、どうかしましたか？」

小虎さん、？と思われる女性はしどろもどろに返事をする。相手も困惑した感じの返答だったので、俺もどう返事を返していいかわからず、微笑むことしかできなかった。

ただならぬ空気が流れる中、社長が口を開く。

そして耳に入ってきた言葉は、衝撃の一言だった。

社長「_____ Travis Japan、今日から貴方達には、8人体制になってもらう。」

え、

…意味がわからなかった。8人体制？メンバーが1人増えるってことか？何故このタイミングで？

自分でいうのもなんだけど、俺たちTravis Japanは、今いるジャニーズJr.の中でも1番歴の長いグループだし、年々着実に人気を獲得していた。グループ仕事も、個人仕事も、いい軌道に乗っていたと思う。

それだけに、「絶対に7人でデビューしよう」という気持ちがメンバー間で、日々強くなっていた。絶対に今いるこのメンバーで、夢を叶えると信じていた。

そんな矢先に、突然の新メンバー。
何を考えているのか。

川島「えっと、どういうことですか？」

俺が混乱の海を漂っている中、如恵留が咄嗟に返答をする。

社長「そのままの意味よ。新メンバーが入るの。貴方達の目の前に座っている彼女、小虎Aさんが、新メンバーとしてTravis Japanに加入するのよ。」

Travis Japan「ちょっ、ちょっと待ってください！」

何を言われても、理解できなかった。

ちょっと待ってください、と言って、考える時間を少しでも増やすことしか、俺にはできなかった。

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