いちばん近くて、いちばん遠い。I【虎】 (ページ5)

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- 対面ページ5

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次の日、気持ちが変わらないうちに、と
ジャニーズ事務所の社長さんに連絡を入れた。

「この前のお話、私でよければ、受けさせてください。」

もう後には戻れない。

今いるグループのメンバーにもすぐに内容を伝えた。
どう思われちゃうかなって心配でたまらなかったけど、「Aならどこにいてもやってけるよ、頑張ってね」と背中を押してもらえた。その優しさが身にしみて、もっと一緒に活動をしたかったなと思った。

もう後には戻れない。

1ヶ月ほどの期間、色々な手続きを済ませて、
事務所を移動する準備が完了になった頃、
社長さんからの連絡が来た。

「今度の××日、事務所に来てちょうだい。これから一緒に活動していくメンバーに、説明も兼ねて会わせたいの。」

そういえば、まだ所属することになるグループを聞かされていなかった。

勢いで決めすぎたかなぁ、いや、勢いが大切な時だってある、間違ってない。そう自分を諭すようにして、気持ちを奮い立たせた。

そして、その日はやってきた。

私が先に呼ばれたらしい。

部屋に着くと、
以前のようにソファに座って待つように言われた。

ー30分後

足跡が聞こえる。そろそろだろうか。

「ガチャ」

「失礼します、Travis Japanです。」

「！」「！」

嘘だろ、まさかのTravis Japanさんだ。

××グループとして、音楽番組で共演したことがある。

相手も何故か驚いた顔をして私の方を見ていた。

まさか話を通してない…？それはともかく、

ダンスバキバキの彼等のグループに私が入るのか…？

急激に不安が込み上げてくる。

彼等を目にした瞬間から、驚きのあまり
私の口は開いたまま、塞がることはなかった。

宮近「あの、どうかしましたか？」

これは多分、宮近さんだ。
なんとなくだけど、名前は把握している。

私がずっと間抜けな顔しているもんだから、
声をかけてくれたのだろう。

A「あっ、大丈夫です。ちょっとびっくりしちゃって。すみません。」

私がそう返すと、困惑気味に穏やかな微笑みを返してくれた。

気まずい、早く、話を始めてくれ…

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