いちばん近くて、いちばん遠い。I【虎】 (ページ17)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:150,448 hit

- 昔はページ17

ー
松田side

仕事終わり、いつものように松倉と歩いて帰宅する

今日は、小虎さんのダンスを見に行く日だった。

俺はまだ現実を受け止められてなくて、
1ヶ月間彼女のレッスンを見に行く気も出なくて、

Travis Japanに入れたいとも思わないし、

とにかく、見るだけ見ればいいやと思っていた

そう思ってたのにな

思い出しちゃったんだよ

松田「なぁまつく、」

松倉「ん？どーした元太」

松田「今日さ、小虎さんのダンス見たじゃん」

松倉「うん」

松田「いやなんかさ、懐かしい気分になったんだよね。俺らも加入前はあんな感じだったなーって」

松倉「…」

あれ、まつくは思い出さなかったのかな？

松倉「…俺も同じこと思い出してた。俺らの時も、ダンスが合わなかったら、加入はないって言われてたよね」

あ、やっぱり思い出してたんだ。

松田「そうそう。まつくは結構不安でいっぱいになってたよね」

松倉「元太は小虎さんみたいな感じで、絶対入ってみせる！って感じだったよな(笑)」

松田「本当にね、最初俺があんな感じだったこと、すっかり忘れてたよ」

…

そう、小虎さんが「じゃあまた今日から頑張ります！」って言った時、俺の中で何かがグーンと込み上げてきたんだ。

そういえば、俺も同じだったなって

俺らが入る時と状況は色々違うとはいえど

元々同じような気持ちを持ってて

たくさんわかるところがあったはずなのに。

なんでこんな冷たい対応しちゃったんだろう

小虎さんだって、俺らに嫌な気持ちさせたくて
Travis Japanに入ろうとしてるわけじゃないのに__

松倉「俺さー、、、小虎さんがTravis Japanに入るのも、悪くはないかもなって思った。つか、元々似てる環境にいたからこそ、少しは応援すべきかなって、」

！

松田「そうだね。じゃ今度2人でレッスン覗きに行こ」

松倉「だな！」

仮にメンバーが1人増えることになったって、

Travis Japanは、Travis Japanだ。

ー