初めまして、結婚してください！ ⑦ (ページ46)

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：慕情ページ46

YG side

「ところでお前、Aと一緒に過ごすようになってぶっ倒れたりはしないのか？」
「ああ、それ？もう大丈夫！克服したよ」

女と一夜を明かせず、気絶するという現象。Aのおかげで克服することができたらしいが、そもそもそれを誘発させていたのが俺らを見つけた時の『白い景色』のせいだったみたいと、鼻をすするテヒョンが教えてくれた。

「俺の部屋に白が少ないのは、そのトラウマのせいかもね」
「結局は俺のせいじゃねぇかよ」
「あ、ホントだ。でも別に怒ってないから！ホントだよ？それに黒いベッドってクールだし格好良くていいじゃん！」

そう言って見せてくれた屈託ない笑顔は、俺が愛した天真爛漫な『お前』と同じ笑顔だ。

「……お父さん」
「ん？」
「今、聞こえた……。小さい俺からの最後のお願い」
「お願い？」
「『おかあさんをぜったいみつけて』って」
「ああ、」

もう聞いた、とは言わない。
あいつに逢いたいのは俺もテヒョンも同じ。いや、テヒョンのほうがずっと恋い焦がれていたはずだったから。

幼いうちに母に先立たれ、死の恐怖を幼心に焼き付けられてしまったあいつの昔からの願いだからこそ、叶えてやりたい。

「そうだな……見つけなきゃな」

寂しい思いを強いてしまった俺の責任は重大だ。

だが、きっとそれはまだもう少し先のような気がする。
近い将来か、もっと先の未来かは分からないけれど。

「でもな、あいつから……母さんの方から俺に会いに来ると思うんだ」
「お母さんの方から？」
「ああ、」

あいつはまた俺の前に現れる。新しい生を受けて、約束通りに。

【生まれ変わったら……またユンギに会いたい】

【おばあちゃんになるまでユンギと居たい】

「あいつは……寂しがりだからな……」

窓から見える温室の中で緑が輝いて見えた。