初めまして、結婚してください！ ⑦ (ページ3)

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“暗示”が解ける時ページ3

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瞼を閉じ、すぅっと眠ってしまったAの姿を綺麗に整えてゆっくり立ち上がる。

「無事に“試練”を乗り越えたね。二人なら何があってももう大丈夫」
「へへ……！」
「“暗示”は完全に解いたけど、“試練”の後は疲労感が半端ないと思うから、少し休ませてやってね？」
「はーい」
「あぁ、嬉しくても気を急いて『食べちゃった』ら駄目だよ？ちゃんと完全回復するまで待つこと！」
「分かってます！」
「だったらほら！部屋から出る！寝かせてあげなさいっ」
「えー？！一緒にいたっていいじゃない！俺の部屋だよ？」

ヒョンに強制的に回れ右させられて、寝室からグイグイと追い出されちゃった。

「ヒョ～～ン！目が覚めた時に俺が居なかったらAが寂しがるでしょっ？！」
「それはお前の決めつけだろ？」
「むしろ願望！」
「真っ直ぐ認めやがるなぁ」

呆れ顔のジニヒョンは俺の肩に体当りして肩組みしてきた。
かと思ったら頭をグリグリとこね回して笑い出した。

「本当にもう心配いらないよ、Aはお前の心をちゃんと受け取ってる。それに気づけたからお前の所に帰ってきた。
　あの子はちゃんとお前と『縁』を深く繋げたんだ、いずれ『絆』もできる。お前が一番望んでいたことだって叶うよ」
「ヒョン……」

ニコリ笑ったヒョンだったけれど、その表情は何故か固い。

長の紅い瞳が揺れる。

「……テヒョンア、」
「はい？」
「本当に目を覚ます時が来たよ」
「へっ？」

大昔に見たことのある紅の支配を感じる。

「さあ、もう起きてもいいよ……」

急に頭の芯が重くなり、あっという間に世界が暗転した。