☆嫉妬なんて本当は ページ9
You side
「……ごめんね、A。ちゃんと言わなくて」
「"食事”のことは死活問題っぽいし、許すよ。
私の血だけをあげたいけど、ひと月もお腹を空かせたままはテテが可愛そうだもん」
「うん……ありがと」
「でもその他は嫌」
「……うん」
“食事”はしょうがないけど、その他は許せない。たとえ嫉妬からくる思いだったとしても、私以外の誰かと触れ合っているのを想像しただけでおかしくなりそう。
「本当は……知らない人に触れるのも、抱きしめるのも嫌。そ……それ以上のはもっと嫌……」
「……うん」
「そういう気持ちになっても、他の人とは絶対してほしくない」
膝立ちになったテテがおでこをくっつけてふふっと笑う。
「ヤキモチ焼いてくれるの？嬉しい……」
「なんで嬉しがるの？私は心の中がずっとモヤモヤして気持ち悪いのにっ」
「嫉妬するってことは、それだけ俺の事好きってことでしょ？」
「っ！」
「愛が深くなるってこういう感じかぁ！」
嬉しそうに私を強く抱き寄せギュッと力強く閉じ込められた。
何度も抱き締められる度に思う。
確かに母から抱き締められたけど。おばあちゃんからも抱き締められたけど。ジウからも抱き締められたけど。
同じようで違う、この優しい苦しさに安心する。
身を委ねても私を受け止めてくれる力強さと大きさに安心する。
でもね？その安心感に浸かっていると、どんどん深みにはまっていくような気がするの。
「……好き」
「……っ」
テテの腕がぴくんと力を緩めた。
「好きすぎて……溺れちゃう」
そろりと離れて私を見る紅い目が動揺している。
「酷いな……俺はとっくにAにどっぷり溺れてるのに」
「っ……」
「これ以上俺を溺れさせてどうすんの？」
くっと顎を引き上げられた。
ゆっくり伏せた紅い瞳。
私も目を閉じれば、優しく重なった唇の感触に身体中が熱くなる。
感触を味わうように重ねられた唇が、やがて蜜を舐めるように動き出す。
「……んっ、……むっ……」
ピッタリ塞ぐ彼の唇。食べ尽くされそうな程に深く侵入してくる舌。言葉も息も全部飲み込んでしまうような、深く艶かしい口付けに変わるのにそれほど時間はかからなかった。
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あがしおん(プロフ) - Laurentさん» いつもコメントありがとうございます！コツコツと続きを鋭意制作中です。励みになります！頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月16日 11時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - こんばんは！いつも楽しませて頂いております。ピュアさもありつつ作り込まれたあがしおんさんのお話が本当に大好きです……！あがしおんさんのペースでゆっくり更新頑張ってくださいね！応援しております (2020年5月16日 1時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月23日 19時
