百戦錬磨に年の功 ページ46
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「Aの香りの質が変わってたから随分親密になってるんだって分かったよ」
「香りの、質？」
「今までの香りの甘さの強さはまだ身が清いままだったから。それは分かるよね？」
「は……はい……」
「そのレディが初めて男と交わると、それまで誘うように強かった甘さが弱まって柔らかくなるんだ。……教えた事、なかったっけ？」
手に握ったグラスの氷が溶けてカランと回る。
「あり……ましたねぇ〜」
「だぁよねぇ〜？」
怖い怖い怖い！顔見れない！
きっとニコニコ笑ってるんだろうけど、あきらか教えた事を忘れられててちょっと怒ってるよ……！
「それとね？」
やんわりお説教モードのジニヒョンが耳の横に顔を寄せて更に続ける。
「自分の匂いが自分じゃ分からないのと同じで、自分のマーキングの香りも自分じゃ分からないんだ。
だから『キスマーク』っていう所有の印を付けて可視化して安心したくなるんだよ」
爆弾放り込まれて狼狽している俺の肩を叩いて離れたヒョン。
血の気が引いて完璧に思考停止した。
「まあ？他の雄を牽制したい気持ちは分かるけど、ちょっと付け過ぎだよね〜？アレは小さいってもんじゃないだろ？」
「なん……で」
見えそうな位置は全部消しておいたはずなのに！
やっぱりヒョン、こっそり帰ってきてて、俺の部屋のどっかでこっそり見てたんじゃないの？
「なんでかって？あの子の香りと一緒にお前の香りも相当強く香ってたからだよ」
「ヒッ！」
また出たぁぁ！
「キスマーク消しても無駄だよ？吸血行為は情交と同義。首筋から頂く事が軽くマーキングなわけだから、コトに及べばそりゃもうベッタリだし？何ならちょっと指先の傷とかひと舐めしても薄っすら付いちゃうし？あんまり所有欲が強すぎると「重い〜」って嫌われちゃうよ？
でもまぁ、これであの子が他の雄共に狙われる可能性はグッと下がったから心配の一つはなくなったね！」
これで落ち着けそうだね〜と言いながら、今度こそ俺から離れてソファに腰を下ろした我らの長。
漸く勇気を出して振り返ると、背凭れに両腕を広げて預け、長い足を組みドヤ顔してた。
知ってたけど。分かってたけど。
「あのヒョンに隠し事なんて……。永遠にできない」
「テヒョンア〜？お酒飲みながらゆ〜っくり話そうよ〜？」
にこやかにヒョンが俺を呼ぶ声がする。
速攻で新しいグラスにウィスキーを用意して、ヒョンの所に飛んでいった。
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あがしおん(プロフ) - Laurentさん» いつもコメントありがとうございます！コツコツと続きを鋭意制作中です。励みになります！頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月16日 11時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - こんばんは！いつも楽しませて頂いております。ピュアさもありつつ作り込まれたあがしおんさんのお話が本当に大好きです……！あがしおんさんのペースでゆっくり更新頑張ってくださいね！応援しております (2020年5月16日 1時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月23日 19時
