俺、言ったじゃん！ ページ31
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「どうしよう。気持ちが止まらない」
「っ、あ、あの……テテ……」
「Aが好き。Aの全部が愛しくてたまらない……」
心の奥から出てくる言葉を抑え込むことなく口に出し、頬におでこに耳に、いつも噛みつく首筋や喉にもたくさんのキスを落とす。
触れる度にAの口から漏れる吐息が甘ったるすぎて、答えを聞き出す前にもう全部を暴いてしまいたくなる。
ほぅっ……と甘くて切ない息を吐いたAの手が俺を抱きしめようとする手前で浮かせたまま細かく震わせ、きゅっと下唇を噛み、瞳を潤ませて視線を落とす。
その表情だけでもうリビドーが狂い出しそうだ。
まだキスくらいで、激しい事はこれからってところなのにこの高ぶりよう。今からでも襲ってしまいたくなる。でもまだだ、答えを聞くまでは踏み留まらなきゃ。
そう思っていたらAがまたポロポロ泣き出した。
わ、わ、どうしよう！あんまり迫りすぎて顔怖かったかな？？
「ん？……どした？」
余裕有りげに尋ねたけど、本当は内心オロオロあたふた、脳内はてんやわんや。
「怖い……」
「怖い？」
「分からないけどっ……身体の中が変なの……。何か怖い……」
ああ、Aは知らないんだもんね、誰からも教えてもらってないんだもんね。
だってまだ誰にも『奪われてない』から。
「……可愛い……。怖がらないで？約束通り俺が教えてあげるから、もう泣かない、ね？」
嬉しくて微笑まずにいられない。さらさらと髪を撫で、額に軽く口付けた。
「それはね、Aがまだ知らないから怖いんだよ」
「知らない……から？」
「だから俺が教えるって言ったじゃん！」
「……ほん、と？」
「うん、約束したろ？」
「私の夜をあげたら……教えてくれるの？」
「なっ！」
あぁっ！だから！どうしてそんな風に無意識で俺を誘惑するのっ？！
俺、今にも飛び付いちゃいそうな本能をすんげー必死に宥めてんだよ？
「……自分が言ってることの意味、本当にちゃんと分かってる？」
「え？」
「俺がAの夜を貰うって事が何をする事か」
「っ……」
本能の抑え込んででも我慢してるのは……Aを泣かせたくないからなのに。
「もしかしたらそれ、Aの心を傷つけるかもしれないんだよ？」
「Aが俺の事好きでも、嫌われるようなこと、するかもしれないんだよ？」
この子を大切にしたいって思ってるからなのに。
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あがしおん(プロフ) - Laurentさん» いつもコメントありがとうございます！コツコツと続きを鋭意制作中です。励みになります！頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月16日 11時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - こんばんは！いつも楽しませて頂いております。ピュアさもありつつ作り込まれたあがしおんさんのお話が本当に大好きです……！あがしおんさんのペースでゆっくり更新頑張ってくださいね！応援しております (2020年5月16日 1時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月23日 19時
