土産物屋にて ページ19
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本日のデートはどこぞのお金持ちが開発しちゃったウォーターフロント。
その中にあるショップエリアでAがお世話になっているマスター夫婦へのお土産を探しにやってきた。
高級ブランドは手が出せないって言ってたから、比較的手頃なものが多く取り扱われている店をチョイスしてみた。
「これとか良さそう」
マスターにはプライベートでも使えそうなシンプルなコードタイ、マスターの奥様には綺麗な石が所々に配されたシルバーワイヤー編みのヘアピン。
Aが選ぶ小物はなかなかセンスがいい。
「俺にもなんか選んで？」
「テテのお眼鏡に適いそうなものかぁ……難しいなぁ」
そう言いながらニコニコしながらショーケースを一回りして品定めしている。
緩みっぱなしの口元を手で隠しているけど、心の声は口からあっさり溢れ出す。
「はぁ、可愛い」
今日はそれしか言ってない気がする。
そんなAに俺もなにかプレゼントをしてあげたいと思って、アクセサリーのコーナーに差し掛かった。
「あ……、えっと……」
背後からAの困った声と『緊張』の匂い。
振り返るとラフなスタイルの男の背中の向こうに愛想笑いのAがいる。明らかに店員じゃない男に絡まれているではないか！
……もやっ。心に湧いた黒い霧。
速攻で飛んでいきたいところだけど、ここはグッと我慢して早足でAと男に近づいた。
「A、決まった？」
「あ、テテ！」
笑顔を見せると、駆け寄って表情を緩めたAの腰にそっと手を回す。
男を一瞥してニコリと笑顔を送ると、『よい旅を』だなんて誤魔化すように愛想を振りまいて去っていった。
「まったく……俺が一緒に居たのが見えなかったのかな？あの人は」
「あはは……どうだろうね……」
「で？俺へのプレゼントは？」
「んとね、」
「ああ！待ってっ！」
手に持っていた箱をサッと取り出して開けようとしたAの手に手を重ねた。
今ここでネタばらしされるより、別宅に戻ってからのほうがワクワクが続いて絶対いい！
「俺もAにプレゼント選ぶから、帰ってからプレゼント交換しよ！」
「プレゼント交換？いいね！面白そう！でも気に入ってもらえるか心配……」
「俺も今、その心配してるから一緒！でも楽しみだね！」
「うんっ」
Aは嬉しそうに花の匂いを一帯に溢れかえらせた。
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あがしおん(プロフ) - Laurentさん» いつもコメントありがとうございます！コツコツと続きを鋭意制作中です。励みになります！頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月16日 11時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - こんばんは！いつも楽しませて頂いております。ピュアさもありつつ作り込まれたあがしおんさんのお話が本当に大好きです……！あがしおんさんのペースでゆっくり更新頑張ってくださいね！応援しております (2020年5月16日 1時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月23日 19時
