静かなる葛藤 ページ14
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すっかり静けさに包まれたベッドでAの髪を梳きながら寝顔を堪能している。俺の視界にAの綺麗な髪を櫛る俺の指が幾度となく入り込む。
その指はさっきからずっと小さく震えたまま。
Aにはああ言ったけど、全然平気なんかじゃない、めちゃくちゃ強がったんだ。
本当は眠らないんじゃなく、眠れないんだ。
ホントはここから逃げ出したい気持ちと葛藤していたんだ。
震え続ける手を力いっぱい握り込んだり開いたりしても治まらず、何かに怯える掌を睨みつける。
寝室に入った時からずっといつ気を失うかと不安で仕方なかった。俺にとって意識を失う条件が揃っていたのに、飛ばさずに済んだのが不思議なくらい。
今もってその恐怖は拭い去れずにいるけど、それを気付かれて彼女を不安にさせないように、こうして眠りに就いてからも隠し続けている。
もう一度すっかり夢の中の無防備な彼女を見つめ、頬をそっと撫でて甘くて濃いAの匂いを腹一杯に吸い込んで心の奥から滲み出す恐怖と戦い続ける。
このまま意識を失わなければ、こうしてAの体温を存分に堪能しながらいくらでも側にいられる。
だからここで気を失わないようにと気を張り、神経を尖らせた。
君と心が繋がったのに、俺はまだ自信がない。
君と一緒に朝を迎えたいと強く思っているのに。
推理小説のネタバレ一歩前のヒントみたいなヒョンの言葉に振り回され、原因も真相も何も分からずじまいの俺にはきっと、まだそれは無理なのかもしれない。
もう長い事そうして生きてきたから慣れっこだ。これから先もそうであったとしても平気。
今じゃなくても、いつかは乗り越えられる日が来るから――。
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あがしおん(プロフ) - Laurentさん» いつもコメントありがとうございます！コツコツと続きを鋭意制作中です。励みになります！頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月16日 11時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - こんばんは！いつも楽しませて頂いております。ピュアさもありつつ作り込まれたあがしおんさんのお話が本当に大好きです……！あがしおんさんのペースでゆっくり更新頑張ってくださいね！応援しております (2020年5月16日 1時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月23日 19時
