役に立てたのなら ページ39
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水のグラスに持ち変えて一気飲みで口の中を満タンにしていたものを胃袋に直行させ、見事完食した俺はぐふっと空気を吐きながら店内を軽く見回しAを探す。
「A、みーっけ」
厨房の奥から伺うように顔を覗かせるAに俺が声をかけると、びくりと彼女の身体が跳ねるのが見えた。
コソコソとカウンター裏に戻ってきたAは、何ともばつの悪そうな顔をしていて。
「さっきの人ならもう帰ったよ？」
「そ、そうですか……」
何でそうなのかは分からないけど、Aの纏う匂いは焦りとか緊張とかのそれじゃなくなっていた。
「A？さっきの男、悪いやつ？」
「悪い……と言えば悪い、ですね」
気になって仕方なかった質問をしてみたけれど、当然ちゃんとした答えはくれない。
「それはお店にとって？それとも、Aにとって？」
続けざまの俺の問いにまたびくり、肩が揺れる。
チラッと俺を見る目はちょっと困っている感じで。
そのまま答えが聞けるのをじーっと見つめて待っていたら、俯いてカップの準備を始めたAが諦めムードを漂わせて、やっとこさ口を開いてくれた。
「本来は私にとって……というべきなんでしょうけど、結果的にはお店にも迷惑かかってしまっているので、どちらともとれそうです、ね」
返ってきた遠回しな答えは、『あの男が来るとAもお店も困る』ということ。
「ね、A？」
「……はい、」
あの夜程ではないけれど、困っているAを助けることができたよね？
俺もAにとってちょっと困ったお客さんかもしれないけど、そんな俺でも……
「少しはAの役に立てた？」
手は止めず、俺を気にするように一度目を合わせ、
「そう……ですね……」
頬を淡いピンク色に染め、俺が大好きな甘い匂いをぱあっと花開かせた。
今回はいい結果と見ていいかな？
「へへっ……それは良かった」
お役に立てたのなら今日の緊急ミッション……
「……コンプリート♪」
ニヤニヤしながら氷で薄くなった気の抜けたコーラを飲み干した。
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あがしおん(プロフ) - そす。さん» コメントありがとうございます♪早速おさらいまでしていただいてありがとうございます！大親友くんが幸せを掴むまでのドタバタをボチボチゆるっとお楽しみに！ (2020年1月16日 23時) (
レス) id: cab6f14aeb (このIDを非表示/違反報告)
そす。(プロフ) - ！！！！待ってました〜〜！！最初からとっても面白いです〜！じんくんのお話が完結した後、じみんちゃん、ゆんぎさん、じんくんのお話全部読み返したので準備バンタンですよー！テヒョン君のお話もしっかりついて行きます〜！頑張って下さい！！ (2020年1月16日 22時) (レス) id: d98d830880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年1月7日 2時
