顔パスっていいよね ページ33
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初めて座ったカウンターの一番端の特等席は、俺の指定席になりつつある。
「あ、今日もいつもので！」
「すぐお持ちします」
即答したAは不機嫌というか呆れてると言うか、そんな雰囲気を醸し出しながらカウンター裏へと引っ込んだ。
俺が椅子に腰かけた瞬間、カウンター越しにAの手が伸びて俺の目の前にコースターが敷かれ、しゅわしゅわ炭酸がはじけるコーラが載せられた。
「……どうぞ」
苦手なコーヒーはもう勘弁って事でプロポーズした日以来、俺がコーラを注文するようにしたら、指定席に着座するなりすぐに、ホントソッコーでコーラを出してくれるようになった。
もう顔パス的な？常連客的なおもてなしに気持ちが浮ついちゃう。
「ありがと、A！」
いつもの如くにっこにこでAに感謝の言葉を述べたらば、
「……早くそれ飲んでお帰り下さい、お客様」
冷たく言い放ち、ぷいっとそっぽを向いて厨房に引っ込んでしまった。
今日も安定で冷たーい！あ〜んど名前呼んでもらえなーい！
うーん、俺、嫌われてるっぽい？
よっぽど俺のあのひと言がマイナスに効いてんのかな。
……それはマズい。
いつもはたっくさん話しかけるけど、今日はAの仕事の邪魔しない様に静かにしてよーっと。
まずは一杯目のコーラを飲み干し、Aにおかわりをお願いした。
昼食そっちのけで厨房とカウンター、ホールを行き来して仕事に勤しむAを観察して、ストローでちびちびと二杯目のコーラを啜り、時々香る甘い匂いを吸い込んで勝手に幸せに浸っていると、ドアベルが来客を知らせた。
「いらっしゃ――」
入ってきた客を見るなり、営業スマイルだったAの表情がギュッと露骨に強張る。
その瞬間からAから香るのは、ピリッと辛みのある『緊張』の匂いと雨の日みたいにジトッとして湿っぽい香り。変な例えだけどそんな匂い。
コレなんだっけ？
「……あ！」
思い出した。『焦り』の匂いだ。
ん？何で焦り？
Aがその客に対して醸した焦りの匂いが気になって、二人を目で追い続けた。
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あがしおん(プロフ) - そす。さん» コメントありがとうございます♪早速おさらいまでしていただいてありがとうございます！大親友くんが幸せを掴むまでのドタバタをボチボチゆるっとお楽しみに！ (2020年1月16日 23時) (
レス) id: cab6f14aeb (このIDを非表示/違反報告)
そす。(プロフ) - ！！！！待ってました〜〜！！最初からとっても面白いです〜！じんくんのお話が完結した後、じみんちゃん、ゆんぎさん、じんくんのお話全部読み返したので準備バンタンですよー！テヒョン君のお話もしっかりついて行きます〜！頑張って下さい！！ (2020年1月16日 22時) (レス) id: d98d830880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年1月7日 2時
