琥珀色の敵 ページ25
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俺の気のせい？見間違い？？この店内の食い物の匂いで鼻がおかしくなった？それとも俺の振りかけてる香水の匂い？
でも、カウンターの裏をテキパキと動き回る彼女の匂いは『あの匂い』で間違いない。
俺がつけている大好きな匂いをもっと自然に、まぁるくした感じの匂いが、俺の心臓をバクバクと忙しくした。
まもなく彼女がトレイに俺が注文した某かを乗せて近づく。
あれこれ考えを巡らせている俺の前に、湯気を上げる真っ黒い液体の入ったカップが置かれた。
「お待たせしました、本日のコーヒーです」
「え」
目の前のものは香りと言い色と言い、どこをどう見てもコーヒー。
改めてメニュー表の一番端を見ると『本日のおすすめコーヒー』って書いてあった。
やっべぇやらかした。
俺、コーヒー飲めないのに！
「…………ども」
今更「他のに交換して」なんて言い出せない俺は、コーヒーと対面したまま数十秒も無駄にした。
意を決し、琥珀色の天敵に角砂糖をこれでもかと沈め、ミルクが入った入れ物がすっからかんになるまで一滴残らず流し入れた。
熱くて甘くて苦くて、味覚が忙しくて口がぎぃ〜〜〜〜ってなって目が回りそうだったけど、せっかく彼女が運んでくれた此奴を残すなんて勿体ないことはできないと、ちびりちびり、それを飲みながら再び彼女を観察する。
カウンターの裏で慣れた動線を行き来する彼女。
コーヒーをカップに注ぎ、トレイに乗せてテーブル席の男性客の前に持っていく。
かと思えば、厨房からパンケーキを二皿手に持って、大きな窓の前に並ぶ席の二人の女性客のところに運んでいた。
――かれこれ十五分ここに座っているけど、声を掛けるタイミングが見計れない……。
コーヒーを口に運び、また口の中をぎぃ〜〜〜っとしながらチラチラと彼女の盗み見を続けた。
お客が少ないから話しかけても良さそうだけど、何となく忙しそうに見えて声がかけ辛い。
彼女も彼女でやっぱり気付いていないようで、俺に話しかけてくるような素振りはない。
どう考えてもこれ、俺に気づいてないっぽよね？
向こうから何のアクションも起こさないとなると、俺から言わなきゃだよな？
さてどうする？もうこれはミッションだね、ミッションとして攻略するしかないよね！うん！
この日から俺は、彼女に覚えてもらえるように店に足しげく通う事にしたんだ。
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あがしおん(プロフ) - そす。さん» コメントありがとうございます♪早速おさらいまでしていただいてありがとうございます！大親友くんが幸せを掴むまでのドタバタをボチボチゆるっとお楽しみに！ (2020年1月16日 23時) (
レス) id: cab6f14aeb (このIDを非表示/違反報告)
そす。(プロフ) - ！！！！待ってました〜〜！！最初からとっても面白いです〜！じんくんのお話が完結した後、じみんちゃん、ゆんぎさん、じんくんのお話全部読み返したので準備バンタンですよー！テヒョン君のお話もしっかりついて行きます〜！頑張って下さい！！ (2020年1月16日 22時) (レス) id: d98d830880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年1月7日 2時
