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慌てているのか興奮しているのか、彼女は早口で言葉を続ける。
……わからない。でも、ジニに会いたいって強く願っていたの。あなたに伝えたかったことがあって
……そしたらジニがキスしてくれたのが分かって
……ジニが私を呼んでくれて、抱きつこうとしたら白いところに向かって吸い込まれて
─ ちょっとA、落ち着いて？ ─
……ジニの手が見えたから思い切って掴んだら……って、え！なんでこんな格好？！
一息で話しきったところで、漸く互いの一糸纏わぬ姿を見て急に恥ずかしがりだした君。
隠すように僕に身体をピッタリと寄せた。
僕が現れてちょうどキスしたら僕の心に引き込まれたって？
怖くなかったの？びっくりしなかったの？相変わらず君は恐れ知らずなんだな。
─ ふふ。まったく、君って人は……。ここは深淵って呼んでる、僕の心の中の世界だよ ─
……ジニの、心の中？
─ そう。でも、僕達をここに呼んだのは『始祖』らしいけどね ─
……そう――なの？
─ うん。ところで、深淵に来てまでAが僕に伝えたかったことって？ ─
本来の目的を思い出したのか、ハッとした表情をみせ、少し神妙な顔色に変わる。
……あのね、ちゃんと言わなきゃって思ってたの
─ うん、 ─
……私、あなたと一緒に生きていけて良かった。私なんかをずっと守ってくれてありがとう
Aは僕が知りたかった事を伝えに来てくれたんだと思った。
僕の深淵に訪れてまで……。
─ そんな事……当たり前だろ？君は僕の妻なんだし。僕こそ君に感謝しかない ─
─ 僕の帰る場所を守ってくれてありがとう ─
……当たり前でしょ？私はあなたの妻なんだし。約束したんだもの
— うん、そうだね。でもとっても嬉しかったよ —
─ それから……。寂しい思いを強いてしまってごめん ─
……ううん。その分いっぱい愛してくれたから。ジミニもいたし、謝ることないよ
Aを強く抱きしめ、ぬくもりを感じようと必死だった。
だって今の君からはあの暖かい肌の感覚が殆ど残されていなかったから。
出来ることならこのまま僕の深淵に留めさせておきたい。
淡雪のような君をここに永遠に住まわせていたい。そうすれば僕は君とずっと一緒に居られる。
でもそれはできない。Aはここには居られない。
君は天に還る者。たとえ僕の深淵に閉じ込めても、その運命からは逃れられない。
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あがしおん(プロフ) - chanさん» 嬉しいコメありがとうございます。とても励みになります！なかなか新しいお話を出せず申し訳ないです。ボチボチゆるっと頑張ります！ (2022年4月28日 7時) (
レス) id: 858700461f (このIDを非表示/違反報告)
chan(プロフ) - 何回も読み直しさせて頂いてます！涙がとまりません！！素敵な作品を見せて頂いてありがとうございます！！ (2022年4月28日 2時) (レス) @page50 id: 2c037efb89 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - そす。さん» コメントありがとうございます！ジミンちゃんのお話から数えたら1年近くこのシリーズが続いてるってことだったのか？！え、長すぎ？私もびっくりです！そんなに長くお付き合いいただいて感謝しきりです！残るはあのお方……。ボチボチゆるっと……！ (2019年12月27日 1時) (レス) id: cab6f14aeb (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - てじそく.さん» コメントありがとうございます！わざわざ前作にまで戻って読んでいただいてたなんて！何といいますか……めちゃくちゃ嬉しいです！どうぞまた読みにいらしてください♪ (2019年12月27日 1時) (レス) id: cab6f14aeb (このIDを非表示/違反報告)
ろーらん?(プロフ) - あがしおんさん» 頑張りましょう！大好きです〜〜〜〜！！（涙） (2019年12月27日 1時) (レス) id: c96f5d7f61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2019年12月3日 18時
