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消された秘密の記憶 ページ46

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ゆっくり唇を離してAさんを見つめる。


瞼が震え、ゆっくりと開いた。


「……ジミンさん……?」

僕と視線が合うとふわりと微笑んで、キラキラした瞳で見つめ返してくれた。

「おはよう、Aさん」
「……ん?私、どうして部屋で寝てるの?」
「Aさん、どこまで覚えてる?」
「え……っと、」

Aさんは車を降りる直前あたりから何も覚えてないらしく、僕が完全に暴走していた姿と、父さんとの壮絶かつ一方的な親子バトルを知らなかった。

「僕の格好を見て倒れちゃったらしいよ?」
「えっ……気を失ったの?」
「うん、そうなんだって、父さんが」

 記憶消されてるんだし、結論はそういう事にしておいていいよね。
Aさんは疑うことなく、僕の話に素直に納得してくれた。

でも。

「夢の中でね、知ってるような知らないような男の人の声がしていたの」
「……声?」
「どんな言葉だったかは忘れちゃったけど、ずっと優しく話しかけてくれてて。
 でもそのうちその声がジミンさんの声に聞こえてきて……覚えてるのが……」


 ゴクッと喉が動いた僕。
届いていた事はすごく嬉しいけど……。

どうか、あの恥ずかしい言葉は覚えていませんように……。



「何度も『戻ってきて』って。『僕のところに戻ってきて』って」

「……そうなんだ」

 僕の声は本当に届いてた。
Aさんの閉ざされた闇に届いてたんだ。


 また嬉しくて涙が出そうになった。


 ゆっくり体を起こすAさんに手を貸してあげて腰かけさせ、Aさんの手を両手でしっかり包んで握りしめた。

「ジミンさん、怪我は?もう大丈夫なの?」

 僕の手をAさんの可愛らしい手が握り返し、心配そうに瞳を揺らす。

「傷はもう治ったよ。だから大丈夫」
「よかった……でも目が紅い……お腹すいてるの?」
「うん。ずいぶん力使っちゃって、どうにか動けてるって感じ。だから……いい?」
「もちろん」


 Aさんの隣に座り、黒い髪に指を通して頬に触れる。
ゆっくり距離を近づけキスを一つして唇に小さな傷を入れ、そこから滲む紅い蜜を食べながら柔らかい唇を食んだ。

本能が欲するもの→←二人の父親への感謝



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作品ジャンル:恋愛
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あがしおん(プロフ) - 舞子さん» 舞子さん、初めまして!コメントありがとうございます!お気に召していただけて嬉しいです♪そして、泣かせてしまって申し訳ないです(汗) (2020年4月30日 13時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - あがしおんさん、初めまして。気づいたらあがしおんさんの世界観と描写に酔い、親子、師弟関係の絆に号泣していました。素敵な作品に出会えて幸せです。公開して下さり、ありがとうございます。 (2020年4月30日 4時) (レス) id: acc8d9f98e (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - カナタさん» カナタさん毎度ありがとうございます!ジミンちゃんは無事和解成立!テヒョン君はミッション中のご様子・・・wテヒョン君はミッションクリア成るか?(爆) (2019年4月6日 2時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ジミンちゃん's よかったね!なかよくするんだよ〜ヽ(;▽;)そしてまさかの繋がりwww お久しぶりのテヒョンくんですね! (2019年4月6日 1時) (レス) id: 0d504a4dae (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - そす。さん» そす。さん、いつもコメントありがとうございます!いやー!長かった、このターン!ラスボス、待ちくたびれてますよ……ねぇ?w (2019年4月1日 7時) (レス) id: 79d9a7f227 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あがしおん | 作成日時:2019年3月17日 0時

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